占星術でのアセンダントについて、まだ知らない人にはその基本的な解説から、
そして既に知っている人に対してもホロスコープでの解釈のポイントを紹介しています。
また、12星座におけるそれぞれのアセンダントの意味についてもまとめて紹介しています。
アセンダントとは
アセンダントとは、生まれた瞬間の日時と場所(緯度・経度)から決まる地平線と、黄道(太陽の通り道)との交点の東側です。
つまり、自分が生まれた日の日の出の位置がアセンダントとなるということです。
アセンダント(ascendant)は、ホロスコープ上では「ASC」と表記される事が多く、また解説書によっては上昇点・上昇サイン・上昇宮と明記されていることもあります。
間違いやすい点として、春分点がありますが、春分点は生まれた瞬間の地球の赤道の延長と黄道との交点であり、同じ日時に生まれた人であれば誰でも春分点は同じになります。
一方で、アセンダントは生まれた瞬間の日時と場所で決まる地平線と黄道との交点ですので、同じ日時に生まれた人でも生まれた場所が異なれば当然アセンダントも異なることになります。
また、春分点から12サインが始まるのに対して、アセンダントから12ハウスが始まるという点も押さえておくべき知識です。
- アセンダントは地平線と黄道の交点
- アセンダントはホロスコープでは「ASC」と表記される
- アセンダントから第1ハウスが始まる
アセンダントの特徴とは
それでは、生まれたその日に太陽が昇って来た場所であるアセンダントには一体どのような特徴があるのでしょうか。
生まれ持った素質
ホロスコープにおいては、地平線というのは宇宙での天体の動きが地球上に投影され現実化されるための接触点であると考えられており、
主に個人的な資質を左右する要素を司っています。
そして、アセンダントはそんな地平線において、太陽が昇ってくるまさにその地点を指し示しており、
このことは、このアセンダントから太陽からの生命エネルギーが流れ込んでくるという事を意味しています。
つまり、アセンダントを見る事で、その人の生まれながらの個人的な資質を見ることができるのです。
物事に取り組む時の基本姿勢
そんなアセンダントは、個人の自我の目覚めの瞬間点とも言え、
その時の目覚めの勢いは人生を通じて続く事になります。
このことは、基本的な行動パターンとなって現れやすく、
なにか物事に取り掛かるときの基本的な姿勢などがアセンダントから見ることができます。
イメージとしては、何か新しいことを始めようとした時に後ろから背中をポンと押される方向がアセンダントであると捉える事ができるでしょう。
ペルソナ(仮面)の役割
ペルソナとはパーソナリティ(個人の見せかけの姿)のことです。
アセンダントはまさに個人にとってはペルソナの役割を果たしています。
自分自身の内面性というのは、社会に対してむき出しにして関わってしまうとひどく傷ついてしまうため、
だれしもが社会と自分の内面との接触点に一枚の板を挟むように緩衝点を持つようになります。
この緩衝の役割をするのがアセンダントであり、
人生を通じて社会と関わって行く際に自分の本質を守ると同時に、成長を促進させてくれる役割を担っています。
アセンダントの調べ方
アセンダントを調べるには以下の3つの情報が必要です。
- 生まれた日
- 生まれた時の時間(外気に触れた瞬間)
- 生まれた場所の緯度・経度
これらの情報があれば、アセンダントを調べる事ができます。
自力で正確なアセンダントの位置を調べることもできますが、
最近ではインターネットのホロスコープ作成サイトを活用して、
上の情報さえ入力すれば誰でも簡単にアセンダントを調べることができるようになっています。
そうしたホロスコープ作成サイトを用いてのアセンダントの調べ方については、こちらの記事をご参考ください。
【ディセンダント・MC・IC・AV・Vについて】
このページでは主にアセンダント(ASC)について触れてきましたが、
そのほかにも天体の動きがこの地球上との接触点を作る場所はほかにもいくつかあります。
それらその他の点について下記にまとめておきましたので、アセンダントと区別できるようになりましょう。
名前 | 場所 | 特徴 |
ディセンダント | 地平線と黄道の交点の西側 | 対人関係(社会からの反応) |
MC | 子午線と黄道の交点の南側 | 社会的人格 |
IC | 子午線と黄道の交点の北側 | 生活の基盤 |
AV(アンチバーティクス) | 真東と真西をつなぐ天球上の円と黄道の交点の東側 | 集団から押し付けられる個人の使命 |
V(バーティクス) | 真東と真西をつなぐ天球上の円と黄道の交点の西側 | 集団から押し付けられた環境との関係 |
ホロスコープでアセンダントを読む際のポイント
それでは次に、実際にホロスコープでアセンダントを読み解いて行く際のポイントについて解説をしていきます。
アセンダントが入る星座(サイン)を見る
ここまで述べてきたようにアセンダントを見ることで、
その人の個人としての資質を見ることができます。
そして、その資質が具体的にどのような現れ方をするかということを、
アセンダントが入った星座(サイン)を見ることで知る事ができます。
アセンダントと星座との関係性の見方は、天体と星座の見方と同様であり、
12星座それぞれが担うテーマと、アセンダントが受け持つ個人の資質という要素を組み合わせることで知る事ができます。
12星座それぞれのテーマについては下記のカテゴリーにて詳しく解説しています。
アセンダントが入る星座の支配星を見る
また、アセンダントが入る星座の支配星が、ホロスコープ上で一体どこに位置しているかも非常に重要です。
その支配星が位置している星座を見る事で、アセンダントが属する星座の特徴に加えて、その人が人生を通じてどのような傾向を持ち続けるかという情報を追加的に見る事ができます。
アセンダントとアスペクトを作る天体を見る
そのほかにも、アセンダントとアスペクトを作る天体の影響も見る必要があります。
アセンダントとアスペクトを作る天体の情報は、すでに触れたホロスコープの作成方法の箇所で説明している方法で調べると、
自動的に割り出す事が可能です。
アスペクトに関してはこちらの記事をご参考ください。
ディセンダントとの関係
また、アセンダントを見る時には、その180度向かい側にあるディセンダントも同時に読む事でより理解を深める事ができます。
アセンダントとディセンダントの関係性でいうと、
アセンダントが個我が向かう先であるとするならば、ディセンダントはその個我に対する社会からの反応であると見る事が可能です。
そのため、アセンダントと星座から個人の性質の傾向を見た後で、ディセンダントの星座をみることで、それに対して社会がどのような反応をしてくるかということを同時に知ることが可能です。
太陽・月・アセンダントで性格を読み解く
また、ホロスコープにおいて、太陽と月とアセンダントを組み合わせることでより詳細に個人の正確を読み解くことが可能です。
太陽・月・アセンダントのホロスコープ上での役割を端的にまとめると以下のようになります。
項目 | 役割 |
---|---|
太陽 | 人生を切り開く基本的なエネルギーの源 |
月 | 人生を生き抜く土台となるような精神的な土台 |
アセンダント | 人生を通じて社会に見せ続ける表の顔 |
これら太陽・月・アセンダントの関係性はよく「車」に例えられるのですが、
車でのエンジンが太陽、内装が月、外装がアセンダント、のような働きをすると考えると良いでしょう。
何かを開始する適切な時期を見る
また、アセンダントは個人が生命を受けた時の勢いそのものを示していますから、
アセンダントの位置を運行中の天体が通る時には何かしらの影響が生じます。
特に、トランジット(経過図)の木星がアセンダントを新しく通過するときには何か新しいことを始めるチャンスです。
木星は12年かけてホロスコープを一周しますが、木星がアセンダントを通った瞬間に始めたことというのは12年間を通じて発展しやすくなります。
そのため、長期的に何か新しいことを始めようと考えている方は、運行中の木星が自分の生まれのアセンダントを経過するタイミングを見計らって行うと良いでしょう。
ライジングプラネットを見る
ライジングプラネットとは、アセンダントのそば、前後10度くらいにある天体のことです。
ホロスコープ上で、このライジングプラネットは影響力を強く働かせる傾向にあります。
特に、アセンダントとコンジャンクション(アスペクト0度)を作る天体は、アセンダントが属する星座よりも濃い影響を持つようになります。
アセンダントと12星座(サイン)
ここまで述べてきたように、アセンダントが属する星座(サイン)を見る事で、
その人が一体どのような個人的資質を持っているのかということを見る事が可能です。
牡羊座
牡羊座にアセンダントがある人は、まるで戦士のように振る舞います。
エネルギッシュで行動力に溢れており、行動がキビキビと俊敏です。
言葉使いも端的ではっきりとしていて勢いを感じさせます。
牡牛座
牡牛座にアセンダントがある人は、美しい庭園に住む領主のようにおっとりとした性質をもっており、性格も温和で落ち着いています。
感覚がすぐれており、着るものや食べ物に対してこだわりを見せます。
双子座
双子座にアセンダントがある人は、コミュニケーターとしての仮面をもっています。
他者とコミュニケーションをとるのが非常にうまく、知的に世間を渡り歩いていきます。
傾向としては、ながら族のように2つ以上のことを同時に進行しようとする傾向にあります。
蟹座
蟹座にアセンダントがある人は、まるで優しい母親のような仮面をもっています。
感受性が強く、そして共感的で優しく、周囲に対するケアを第一に考える傾向にあります。
しかし、ぱっと見はおっとりと協調性のあるように見えますが、
内面では情緒や感情は活発に動いています。
獅子座
獅子座にアセンダントがある人は王様の仮面をもっています。
自分が王であるかのごとく、常に堂々とした態度で自信ありげな身振り手振りをします。
自分の存在を大きく輝かせようと世界に対して向き合っていく傾向にあります。
乙女座
乙女座にアセンダントがある人は、秘書の仮面をもっています。
この世界の中で秩序正しくきちんと行動していこうとしています。
物事に対して、秩序や整理された状態をもたらそうと取り組み始める傾向にあります。
天秤座
アセンダントが天秤座にある人は、外交官の仮面を持っています。
この人は、世界は美しくあるべきという信念をもっており、
世界に対して平和的な態度で望もうとします。
また、美意識が高く優れたファッションセンスをもっている傾向にあります。
蠍座
アセンダントが蠍座にある人は、探偵の仮面をもっています。
この人は、世界に対して慎重かつ洞察力を鋭く向き合おうとします。
ただし、一旦心を許した相手に対しては非常に親密に関わろうとする傾向にあります。
射手座
アセンダントが射手座にある人は、冒険家の仮面をもっています。
この人は、世界に対して何か精神的であれ物質的であれ宝物のようなものを追い求める傾向にあり、
大きな視野でのびのびと物事に取り込もうとする傾向にあります。
楽天的で寛大であり、包み隠さないあっけらかんとした態度が人気を呼びます。
山羊座
山羊座にアセンダントがある人は、実業家の仮面をもっています。
この人は、自分の行動をつうじて何かを残そうとする傾向にあります。
一見野心的ですが、その過程は慎重そのものです。
水瓶座
水瓶座にアセンダントがある人は発明家の仮面をもっています。
この人は、世界に対して独特な感覚でもって向き合おうとし、なにか新しい独創性あるものを生み出そうとします。
アートや新しい表現に興味を持つ傾向にあります。
自由な感覚をもっており、それが新しい風を膠着した状況に持ち込みます。
魚座
魚座の人は女神の仮面をもっています。
この人は、世界に対して限りなく優しく接し、全てを受け入れようとします。
芸術家肌であったり、スピリチュアルな感性に鋭いことが多く、
また他の人の痛みを我が物として感じたり、情に流されやすい傾向にあります。
まとめ
以上、ホロスコープでのアセンダントに関してでしたが、
アセンダントに関してはそのほかにも記事を用意しておりますので、
是非そちらもご覧になっていってくださいね。
アセンダントに関する最新記事はこちら
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