このページでは、西洋占星術における海王星の解釈の仕方について、
毎回参考書などで確認をしなくても、イメージでその意味を把握し、
柔軟性の高い応用の効く解釈をできるようにと考え作成しました。
まずはじめに、海王星に関する関連事項をまとめ、
そのあとに、占星術における海王星の意味するところから、
ホロスコープ上での読み方のポイント、
そして、12星座・12ハウスそれぞれとの関係についても、
簡単な解釈をまとめました。
この記事の内容
ホロスコープでの海王星の関連事項まとめ
![海王星の意味と記号](https://fractal-heart.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における海王星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 魚座の支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 85歳以後死に至るまで |
公転周期 | 165年 |
象徴 | 理想、幻想、無意識、直感、霊感、夢、神秘性、抽象性、芸術、想像力、自己犠牲、麻薬、ガス、献身、情感、奉仕、液体、夢遊病、トランス状態、ダンス、幻滅、精神病、映像芸術 |
海王星は、165年をかけて天球を一周します。
天体の公転周期というのは、テーマに基づいた1つの意志の始まりから終わりを表していることから、
海王星の意志というのは人間の一般的な生涯を通じてでは学び切ることができないほどに、
範囲の広いものとなります。
そのため、海王星からくる影響というのは、日常生活レベルでの感覚では気づくことは非常に難しく、またその影響かに生涯埋没してしまうため、
ほとんど受動的なあり方で海王星の影響を受けながら人生を過ごすことになります。
海王星が天体として持つ意味とは
それではさらに詳細に、海王星が天体としてもつ意味について見ていきましょう。
個人の範囲を超えた時間的・空間的制約の無い集合無意識
![海王星の与える影響](https://fractal-heart.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
海王星が司るのは深い意識の領域で、その領域は時間的・空間的な制約を受けません。
それはいわば「集団無意識」であり、場所を超えて、時間をこえて、
あらゆる人が共有している心理的エネルギーのプールです。
このことは、海王星の公転周期が165年ととても長く、
その影響が時代的な傾向として現れてくるということからもイメージがつきやすいかと思います。
つまり、海王星がもたらす影響というのは、個人レベルで把握できる範囲を深さ的にも広さ的にも超えていて、
その影響を主体的に意識することはなくても、常に受動的にその影響を受け続けているのです。
精神的な意識レベルの拡大と同化
![海王星の意味](https://fractal-heart.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
金星・木星・海王星の3つの天体は、「拡大する意識」という点で類似しており、
金星が感覚面での拡大、木星が社会面での拡大、
そして海王星は精神面での拡大を司ります。
ここでいう拡大というのは、外にあるものと自分を同化させていくことを意味しており、
海王星は精神的な領域で、新しいものを持ち込んで全体を大きくしていこうとします。
海王星のもたらす直感は、天王星によって象徴的に理解される
![海王星と天王星の関係](https://fractal-heart.com/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
そして、海王星がもたらす深層心理からの意識は、
天王星によって抽象的な理解として認識されます。
海王星からの影響は、あくまでも直感レベルのものでありますが、
天王星によって象徴的な表現で言語化することができます。
もしも、海王星からの意識の伝達が天王星によって正常に受け取られなかった場合、
幻想など捉えようの無い感覚によって受け取られる場合もあります。
ホロスコープでの海王星の読み方のポイント
ここまで、海王星が天体としてもつ意識について、
背景的な知識をご紹介してきましたが、
それでは実際のホロスコープでは一体どのようなポイントに注目して、
読み解いて行けばよいのでしょうか。
次に、ホロスコープでの海王星の読み方についてご紹介します。
反応的に期待や理想が高まる領域
海王星がもたらす影響は特に理由もなく気付いたら感じている期待であったり、
気付いたら出来上がっていた理想の姿として表面化します。
この影響というのは、時間的にも場所的にも広い範囲に渡って及ぶものであるため、
人類史において時代性というものが現れてきます。
このように、海王星は、
個人の日常レベルではなく、時代的なまとまりのなかでの傾向に影響を与えます。
ホロスコープで、海王星が一体どの星座(サイン)に位置しているのかを見ることによって、
深層的な部分で、いったいどういった方向で精神的な拡大をしようとしているのかということを、見ることができます。
直感や霊的なサポートを受ける領域
また、海王星がもたらす影響というものは、拡大する方向にもたらされます。
そしてこの拡大の方向というのは、その人にとって当然のことながら好ましい方向です。
この点で、海王星がもたらすものは、その人にとっては直感的・霊感的なサポートとして、
感じられるでしょう。
海王星がどの星座(サイン)に属しているかを見ることで、
その人が受け取るべき霊的なメッセージがどういった領域にあるかを読み解くことができます。
個人的な影響を認識するには海王星とハウスの関係を見る
しかし、海王星は天球上をゆっくりと進行しており、
一つの星座を通過するのに約14年の時間をかけています。
そのため、比較的年齢が近い人同士は同じ星座(サイン)に属している出生図となり、
身の回りの人が皆同じ領域で海王星的な影響をうけているため、
一体自分がどのような影響を海王星から受けているのかということを感じ辛いでしょう。
そのため、ホロスコープ上で、海王星からの影響をみるためには、
個人の具体的な活動に対して関わるハウスとの関係を見るのがポイントです。
海王星と12星座(サイン)との関係
それでは次に、海王星と12星座(サイン)との関係についてまとめていきますが、
海王星というのはこれまでも述べてきたように、時代的な影響力をもちます。
そのため、身近な人との比較の中では、海王星がもたらしている、
自分への精神的拡大の方向への影響にはなかなか気づきにくいかもしれません。
星座(サイン) | 海王星がもたらす「精神的拡大」の方向性 |
---|---|
牡羊座 | 「新しいこと」x「精神的拡大」 新しい分野を開拓することや、新しい発明をするということに対して、理想像をもつ傾向にあります。 |
牡牛座 | 「物質面」x「精神的拡大」 新しい機械の発明など、物質的な面においての拡大を理想とする傾向にあります。 |
双子座 | 「知的好奇心」x「精神的拡大」 知的な好奇心への可能性に対して理想を抱く傾向にあります。 |
蟹座 | 「同胞愛」x「精神的拡大」 自らの魂的な帰属に関して、精神的な追求をおこなっていこうとする傾向にあります。 |
獅子座 | 「ドラマティック」x「精神的拡大」 ドラマティックな展開に対して理想を寄せていく傾向にあります。 |
乙女座 | 「健康」x「精神的拡大」 地球レベルの話でも、人間レベルの話でも、健全なありかたに対する理想をもつ傾向にあります。 |
天秤座 | 「人間関係」x「精神的拡大」 自他の境界を曖昧に、人間同士の理想の関係作りに対して向かう傾向にあります。 |
蠍座 | 「結びつき」x「精神的拡大」 情感を深めていくことで成り立つ理想を掲げる傾向にあります。 |
射手座 | 「自由」x「精神的拡大」 哲学やスピリチュアルな面など、思想的に一段高い視野に対して理想を抱く傾向にあります。 |
山羊座 | 「実生活」x「精神的拡大」 あくまでも実生活的な枠組みの中で、新しい夢を実現していこうとする傾向にあります。 |
水瓶座 | 「独自性」x「精神的拡大」 既存の枠にとらわれないで、個性を発揮していこうとする傾向にあります。 |
魚座 | 「精神性」x「精神的拡大」 魚座の支配星である海王星がこの位置にあるとき、海王星の力は強められます。高い精神性への理想をもつ傾向にあります。 |
天王星と12ハウスとの関係
また、占星術においてハウスというのは、魂が活動する「舞台」と捉えてみるとよく、
具体的な行動面での事柄を示します。
ハウスはサインとは違って、生まれた時間・場所によって同世代であっても一人一人異なりますので、
海王星については、ハウスを見ることで、
自分がいったいどういった行動の面で精神的な拡大に関する理想をもっているかということを実感できるでしょう。
ハウス | ハウスがその人の「精神的拡大」に与える影響 |
---|---|
第1ハウス | 人とは本来こうあるべきだというような理想像をあらかじめ持つ傾向にあります。 |
第2ハウス | 芸術的な才能を持つ傾向にあります。そして、金銭面など物質に対して独特な感性を持つ傾向にあります。 |
第3ハウス | 詩的、文学的な才能を持つ傾向にあります。全体的な感情などを言葉にする能力はあります。 |
第4ハウス | 血縁関係に関して執着をもつ傾向にあります。 |
第5ハウス | 演出的な面で特異な才能を持つ傾向にあります。 |
第6ハウス | 実務面で特異なやり方をするので、一般的な仕事よりは個人の采配の大きい仕事が向いている。 |
第7ハウス | 人間関係に対して幻想を抱く傾向にある。 |
第8ハウス | 他人との境界が曖昧で影響を受けやすい傾向にあります。 |
第9ハウス | 想像力が豊富で、神秘的な直感能力が働く傾向にあります。 |
第10ハウス | 自分の中にある理想的なイメージを実社会の中に反映させようとする傾向にあります。 |
第11ハウス | 個性的な人脈関係を作っていこうとする傾向にあります。 |
第12ハウス | 意識的には把握できないような潜在意識からの影響を受けやすい傾向にある。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、10天体のうちで海王星に絞って、
背景的な知識から、12星座(サイン)・12ハウスとの関係についてもご紹介をしてきました。
当サイトでは、この他にも西洋占星術について幅広く解説をしておりますので、
是非そちらもご覧くださいね♪