このページでは、西洋占星術における「金星」の役割について、
基本的な関連事項のまとめから、
金星が天体としてもつ意識、
人生に及ぼす影響、
ホロスコープの中での金星の位置付け、
そして星座と金星の関係について解説をしていきます。
この記事の内容
西洋占星術における金星の関連事項まとめ
支配星 | 牡牛座・天秤座 |
---|---|
発達年齢域 | 16歳から25歳 |
公転周期 | およそ225日 |
タロット | 女帝 |
チャクラ | 第四(心臓)のチャクラ |
象徴 | 芸術・文化・金星・倫理・所有物・美・パートナーシップ・魅力・甘い食べ物・調和のセンス・音楽 |
天体として金星が持つ意識とは
公転周期でいうと、金星は月→水星→金星と、3番目にくる天体になります。
この「3」という数字は、占星学では1番目の調停的さ再生を意味しているので、
金星では月と同じように個人的な感性に影響を与える天体と言えます。
月との影響の違いでいうと、月がより無意識的・自動的な感性出会ったのに対し、
金星では、一度水星で経た社会への主体的な関わり方の中で、
自分で新しく見出した感性と言ってもよいでしょう。
このように、月が既に知っていたり慣れていたりすることを、
繰り返し行うことを好む傾向があったのに対して、
金星では新しい楽しみを見つけるために出かけに行くといったニュアンスの意識を持ちます。
水星と金星との関係でいうと、水星が自分の潜在的な好みから離れて外の世界との関わり方を模索していたのに対し、
金星ではそういた模索の中で自分なりの趣味や好みを取り入れていくといった影響を持ちます。
金星が人生に及ぼす影響とは
金星が司る発達年齢域は、16歳から25歳と、高校生から大学を卒業して社会人1〜3年目の間です。
まさに、それまで守られてきた特定の範囲内から、
少し外に飛び出して、そこから本格的に社会の中で自立していこうとするフェーズと重なっています。
この時期に人は、その人らしい物事の楽しみ方や感じ方のあり方を形成していきますが、この傾向に金星が影響を与えます。
そのため、この時期は感情的にもより豊かになっているので、
恋愛に夢中になったり、音楽や芸術に感動してのめり込んでいったりします。
しかし、金星が及ぼす影響というのは、あくまでも感覚的な領域にすぎず、
そこにその人として積極的な創造のパワーや意志を、感覚的な表現に落とし込むといった領域までには影響を及ぼしません。
つまり、なにか哲学的な意志や信念をもって感覚的に研ぎ澄まされていくというよりは、直感的になにか新しいワクワクするようなものを見つけてはまっていくような影響を金星は与えるのです。
ホロスコープの中での金星の読み解き方
さて、ここまで述べてきたように、
金星はその人の個人的な感覚の範囲の中で、
なにか新しい好みや趣味、美意識の獲得に影響を与えているわけですが、
これらをホロスコープ上では一体どのように読み解いていけばよいのでしょうか。
まず、金星は牡牛座と天秤座のルーラー(支配星)です。
そのため、牡牛座と天秤座のサインの持つ意識を天体としても持っているわけですが、
牡牛座が個人的な所有願望を表しているのに対して、天秤座は対人的なバランス感覚への欲求を表しています。
このように、「所有」や「対人関係」といった領域で、金星が影響を与えていると見ると読み解きやすいでしょう。
また、金星の位置が牡牛座・天秤座のサインにあったり、ほかの天体と強力なアスペクトを作っている場合などは、
思春期であるこの時期に感情や感覚を刺激するような体験がたくさんあります。
それは恋愛のような甘い体験かもしれませんし、一方で精神的に辛い体験だったかもしれません。
そして、金星ではその人のその後の人生における趣味・嗜好の大枠を作るため、金星の影響を見ることでその人が人生を通じて一体どのような領域に感性が向かっていくのかということが見えてきます。
サイン(星座)と金星の関係まとめ
このように、金星が位置するサインとの関係を見ていくことで、
金星がその人に一体どのような影響を与えているのかということが見えてきます。
次に、12星座それぞれについて、金星との関係を簡単にご紹介します。
牡羊座の金星
火のエレメントで活動サインの牡羊座に金星がある人は、
新しい物や出会い、事柄に強く惹かれます。
常に新しい獲物を追っているような印象があり、荒々しく慎重さに欠けている傾向にあります。
恋愛においても、自分にも相手にも新しい刺激を求めるような傾向があり、しばしば異性を振り回します。
牡牛座の金星
牡牛座のサインに金星がある時、五感への刺激や楽しみに価値を見出します。
その結果、五感がとても発達していくので、優れた美的センスを持ち合わせるようになります。
こうした五感を通じて納得をした物や人に対しては執着をしますが、
まだ感覚的に把握をできていない物や新しい人に対しては人見知りをし、なじむまでに時間がかかります。
双子座の金星
風のエレメントと柔軟サインの双子座に金星がある人は、
個人的な好奇心をベースに感性を発達させていきます。
そのため、伝統的なものや他人の美意識などに関しては、
あまり理解を示しません。
まるで子供のような好奇心を持っている人になります。
蟹座の金星
水のエレメントである蟹座の位置に金星がある場合、
自分の愛する対象に対して強い感性を発達させ育て・同化しようとします。
そのため非常に人懐っこい性格な人になる傾向にありますが、
一方でその分傷つきやすくなります。
獅子座の金星
火のエレメントである獅子座の位置に金星がある場合、
その人の感性は演出的なものとなります。
恋愛や結婚関係にもロマンが必要で、夢のないような関係には耐えられなくなってしまいます。
乙女座の金星
女性的な美を象徴する乙女座の位置に金星がある場合、
その人は女性的な感性を持つようになります。
一方で、完璧な愛情を相手にもとめるため、なかなか恋愛に満足を得られません。
天秤座の金星
天秤座の位置に金星がある人は、対人関係において鋭い感性を育てますので、
社交的な場などでのびのびと才能を発揮できます。
蠍座の金星
蠍座の位置に金星がある人は、深く狭い付き合いをする傾向にあります。
そうした付き合いの中で、自分と相手の区別が曖昧になっていきます。
射手座の金星
火のエレメントで柔軟サインの射手座の人は、
対人関係において公平で誰とでも親しく接することができます。
山羊座の金星
山羊座のサインに金星があるひとは、
自分の感性を表に表現することが苦手な傾向にあります。
周りの雰囲気に合わせる傾向にあり、自分の感覚に対して抑止的になりやすいでしょう。
水瓶座の金星
水瓶座のサインに金星がある人は、
対人関係においてものびのびとしており、年齢差や性別差、国籍の違いなどを気にせずに公平に関わることができます。
しかし、誰か一人に対して特別な愛情を注ぐということには拒絶があり、誰か一人が特別な存在というようにならないようにします。
魚座の金星
魚座のサインに金星がある人は、芸術的な領域において鋭いセンスを発揮します。
対人関係においては、要求する愛情が繊細すぎ、それを満たせる相手がなかなか出てこないという傾向にあります。
12サイン(星座)と金星の関係表
最後に、12サインと金星の関係について、
いったいどのような物事の考え方の傾向があるのかということに関して
以下の表にまとめておきました。
ここでいう物事の考え方というのは、感情的なものではなく、
頭の中で自問自答するような言語化される思考のことを指します。
サイン(星座) | 感性や対人関係の傾向を一言でいうと |
---|---|
牡羊座 | 新しい物好き |
牡牛座 | 五感の快適さを重視 |
双子座 | 個人的な感性を重視 |
蟹座 | 深い愛情、深い感性 |
獅子座 | 演出的な感性 |
乙女座 | 完全主義な愛を求める |
天秤座 | 社交センスが抜群 |
蠍座 | 特定の人との深い関係 |
射手座 | 公平で明るい対人関係 |
山羊座 | 自分の感性に抑止的 |
水瓶座 | 誰とでも仲良くなれる |
魚座 | 繊細 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、西洋占星術における金星の読み解き方について、
ご紹介をして参りました。
ホロスコープを読み解くのを得意になるためには、
なんどもなんども繰り返し知識を確認して、
自分なりの解釈のイメージを形成していくことがポイントです。
金星以外の天体についても同様に詳細に解説をしておりますので、
是非そちらもご参考になってくださいね。