占星術に登場する10天体のうち、太陽系の一番外側にあるのが「冥王星」
名前の響きからしてなんだかダークな印象を勝手に抱いてしまってはいないでしょうか?
ホロスコープを見るにあたっては、冥王星が意味するところは深淵でありとても重要です。
このページではそんな冥王星に関して、ホロスコープを解読していくにあたって、
役立つような背景的な知識から、読み方のポイント、
そして12星座・12ハウスと冥王星との関係についてまとめてしょうかいします。
それでは早速行きましょう!♪
この記事の内容
ホロスコープでの冥王星の関連事項まとめ
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における冥王星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 蠍座の支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 死ぬ瞬間 |
公転周期 | 249年 |
象徴 | 始まりと終わり、カルマ、死と再生、破壊、こだわり、閉鎖性、脅迫、変化、極端さ、孤独、闇、無、絶対、消滅、強制力、支配、誘拐、深刻さ、異常、地下世界 |
冥王星の公転周期は249年とかなり長く、1つの星座(サイン)を通過するのに、10年〜30年近くの期間を要します。
そのため、冥王星の影響は世代的なひろがりをもってもたらされ、
時代を大きく変革していくような時代的な動きへと繋がります。
冥王星が天体として持つ意味とは
それでは、冥王星が天体としてもつ意味について見ていきましょう。
太陽系の外側から持ち込まれる銀河の意識
冥王星は、太陽系の一番外側に位置しており、
太陽系と太陽系が属する銀河系とが接触する場所に位置している天体です。
太陽系にある10天体がそれぞれ人間の意識の構成に投影されているとするならば、
冥王星がもたらす意識というのは、より高次元的な領域のことに関わっており、
日常生活レベルでの感覚では到底理解ができないものです。
そのような冥王星がもたらす銀河からの意識のエネルギーは、
海王星によって集団無意識の領域へと流れ込んでいきます。
そのため、冥王星がもたらすものというのは、
誰も認識ができないのだけれども、深層的な部分で共有している価値観や理想像として現れてきます。
冥王星は人間の超意識へと働きかける
このように、冥王星は人間の潜在意識すらもさらに超えた意識である、
超意識に働きかける性質があります。
ふと思いつく事であったり、なぜだかわ分からないけれども感じる美意識などは、
掘り進めていくと超意識に行き着きます。
冥王星は、公転速度がおそく、1つの星座(サイン)を10年から30年ほどかけて通過するわけですが、
その時代に生きる人の超意識に対して同様のエネルギーをもたらすため、
歴史的に見て、時代的な特徴というのが現れてくるのです。
この冥王星的なエネルギーというのは、歴史の教科書レベルの俯瞰度の中で、
その時代の人たちの傾向としてやっとその片鱗を把握できるようなものであり、
自分がいったいどのような時代的な傾向にいるのかということは、
その時代にいる以上なかなか理解ができないものです。
強制的に流れ込む再創造(死と再生)の意志
そして、冥王星の意識は人間の意識レベルでは到底認知ができないものであるため、
当然冥王星からの影響に対しては完全に無防備な状態でさらされることになります。
こうした冥王星からの高次元の意識のエネルギーは、人間の潜在意識の部分へと冥王星→海王星→天王星の流れの中で潜在意識の中に伝達されていきます。
しかし、それは地球上で人間の顕在意識の領域で作り上げられた、
土星的な秩序のルールとはまったく関係なしにもたらされるエネルギーであるため、
既存のあり方を破壊して根底から作り変えていくような現れ方をします。
その意味で、冥王星は「死と創造」を司っていると解釈することが可能で、
人間社会の中で古いものを一新して新しい世界へと再創造していくエネルギーとなります。
ホロスコープでの冥王星の読み方のポイント
それでは次に、ホロスコープを読んでいくにあたって、
冥王星の意味するところをどのように解釈して行ったら良いのかという事について、
そのポイントをお伝えします。
冥王星の位置から極端になりやすい領域が分かる
冥王星の天体としての意識についての場所で説明したように、
冥王星からのエネルギーというのは、個人が把握できる領域を超えています。
そのため、そのエネルギーを個人はコントロールすることができず、
結果として冥王星からのエネルギーは極端な形で現れやすくなります。
例えば、極端にこだわり、執着をもっている領域などが、冥王星の位置から見ることができるでしょう。
例えば、人間関係について極端になるとした場合、
極端に相手を理解しようとし、また同時に極端に理解されることを求める傾向として現れたり、
一方で、相手に理解されたくても理解してもらえないことを恐れ、
逆に一切の関わりを絶ってひきこもるという行動にも繋がります。
このように、両極端にふれやすく、
いずれにしても極端に反応してしまう領域というのは、その人にとって執着がある領域であり、前世から引き継いだ宿命でもあります。
人生に深い変容をもたらすテーマが分かる
冥王星が示すテーマというのは、その人が前世で深い感情的な体験をしたようなカルマであるため、
冥王星が示すテーマに取り組むということは、そのカルマを解消しようと動くことであり、
必然的に人生レベルで深い変容をもたらすテーマとなります。
ある人にとっては、肉体を酷使してまで取り組もうとしてしまう領域かもしれませんし、
ある人にとっては、極端にトラウマなどがある領域で、どうしても避けて通りたい領域のテーマかもしれません。
しかし、いずれにしても、今生においては、
冥王星を示すところのカルマを解消するために地球に舞い戻ってきているのであって、
冥王星が示すテーマに取り組むことで、自然と超意識のレベルからサポートが得られ、
魂レベルでの成長を遂げることができます。
個人への直接な影響についてはハウスを見る
ここまでも述べてきたように、冥王星の公転周期はおそく、
1つの星座(サイン)に10年から30年近くとどまります。
時代的に同じサインから影響を受けている人たちが身の回りにいることになるため、
なかなか冥王星からの影響の性格なるものを見ても実感はわかないでしょう。
そのため、冥王星が個人レベルでおよぼす影響についてみるためには、
冥王星とハウスの関係を見ると良いです。
また、冥王星が星座(サイン)にいる期間について、簡単にまとめておきます。
星座 | 期間 |
---|---|
蟹座 | 1914年から1939年 |
獅子座 | 1939年から1957年 |
乙女座 | 1957年から1971年 |
天秤座 | 1971年から1984年 |
蠍座 | 1984年から1995年 |
射手座 | 1995年から2008年 |
山羊座 | 2008年から2023年 |
冥王星と12星座(サイン)との関係
冥王星が位置する星座(サイン)の場所をみることで、
その人が一体どういった領域に対して執着をもっているかがわかります。
その領域への執着を手放すために、「死と再生」を体験するべき領域が、
冥王星が位置する星座(サイン)から見ることができます。
そして、この領域というのは、時代的な傾向として現れるものであるため、
個人の範囲を超えて、時代的な流れを汲み取っていくことも可能です。
星座(サイン) | 冥王星がもたらす「再創造」の方向性 |
---|---|
牡羊座 | 「自立」x「再創造」 個人や国家レベルの話で、自立という事に対する概念の再評価をしようとする傾向にあります。 |
牡牛座 | 「物質的価値観」x「再創造」 物質的豊かさに対する考え方への再評価をしようとする傾向にあります。 |
双子座 | 「伝達」x「再創造」 コミュニケーションのあり方に対して、地球レベルの範囲で再創造をしようとする傾向にあります。 |
蟹座 | 「帰属」x「再創造」 蟹座に冥王星があった時代に特徴的な歴史的出来事として第一次世界大戦と第二次世界大戦があります。 帰属意識の再創造を意味しており、それまでの国家的概念が強調され、大きいものが小さいものを吸収していこうとする傾向にありました。大きなもののために、私心をすてることを良しとする傾向にありました。 |
獅子座 | 「自己表現」x「再創造」 個の独立的主張が強まる傾向にあり、個人の人生を自らの手によって劇的に創造していこうとします。 |
乙女座 | 「実務」x「再創造」 実務的なビジネスのシーンにおいて、再創造的な動きが強まる傾向にあります。 |
天秤座 | 「関係性」x「再創造」 結婚、共同、洗練、芸術、対外的的な関係といった領域で、新しい創造を起こしていこうとする傾向にあります。 |
蠍座 | 「共有」x「再創造」 集団化の方法を根底から変えていこうとする傾向にあります。 |
射手座 | 「思想」x「再創造」 思想や物の考え方を、根底から新しく再創造しようとする傾向にあります。 |
山羊座 | 「地域性」x「再創造」 ローカルな良さを再評価し、活性化させていこうとする傾向にあります。 |
水瓶座 | 「常識」x「再創造」 それまでの常識を覆して新しい常識を創造していこうとする傾向にあります。 |
魚座 | 「精神」x「再創造」 地球上の精神的・霊的価値観への再創造をしようとする傾向にあります。 |
天王星と12ハウスとの関係
また、占星術においてハウスというのは、魂が活動する「舞台」と捉えてみるとよく、
具体的な行動面での事柄を示します。
ハウスはサインとは違って、生まれた時間・場所によって同世代であっても一人一人異なりますので、
冥王星については、ハウスを見ることで、
個人レベルでどのようなカルマをもって今生を生きているのかということがわかります。
ハウス | ハウスがその人に与える影響 |
---|---|
第1ハウス | 鋭い洞察力とパワーを秘めており、強い自我を持ち、自らの資質や才能を発揮したいという願望をもちます。 |
第2ハウス | 財産や所有に関して強い執着を持つと同時に、それらに対する強烈なアイデアを閃きやすい傾向にあります。 |
第3ハウス | 探究心が旺盛で、興味を持った事に対してはとことん掘り下げていく傾向にあります。 |
第4ハウス | 家族や血縁関係などで、特殊な体験をしやすい傾向にあります。 |
第5ハウス | 個性的な性格を持っており独自性のある表現力があります。しかし、その独自性の表現を認められないという恐れから隠してしまう傾向にあります。 |
第6ハウス | 健康や、仕事といった面で自分を必要としている人に貢献したいという思いがあります。 |
第7ハウス | 運命的なパートナーシップを求めますが、その分、密な人間関係において挫折を味わいやすい傾向にあります。 |
第8ハウス | 性的であったり、金銭面において他者との共有に対して強い関心がある一方で、恐れも抱く傾向にあります。 |
第9ハウス | 思想や宗教、哲学的な事に関して強い関心をもち、その領域でカリスマ的な存在になる傾向にあります。 |
第10ハウス | 権威、地位、名誉といった社会的な名声に対する強い欲望がある一方で、そうしたことへの恐怖から、社会的な達成事項に無視をする傾向もあります。 |
第11ハウス | 今生でどうしても達成した願望があり、その願望の達成のために人脈を形成して成し遂げようとする傾向にあります。 |
第12ハウス | 過去生から引き継いだ宿命をもっており、そのために人生の多くの時間と労力を費やす傾向にあります。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、西洋占星術における「冥王星」に関して、
関連事項のまとめから、背景的な知識の紹介、ホロスコープでの読み方のコツ、
そして12星座(サイン)と12ハウスとの関係についてまとめてきました。
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