天王星は1871年に発見されてから、占星術においても用いられるようになったように、
占星術の歴史の観点からみると比較的最近の惑星です。
しかし、この天王星という星は、地球上の人間の意識の進化に合わせてその姿を公に見せるようになったと捉えることができるほど、
現代を生きる私たちにとっては強く一貫した影響力をもつ天体です。
このページでは、そんな天王星に関して、関連事項のまとめから、
天体として天王星が持つ意識、そしてホロスコープでの読み解き方から、
12星座(サイン)・12ハウスとの関係まで解説していきます。
このページを見ただけで、一通り、天王星に関する知識についてはおさらいができるようにとおもって作成しました。
それでは早速いきましょう♪
この記事の内容
ホロスコープでの天王星の関連事項まとめ
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における天王星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 水瓶座の支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 71歳から84歳 |
公転周期 | 84年 |
象徴 | 独立性、覚醒、変革的行動、オリジナル、魔術、占星術、心理学、考古学、パソコン、推理、洞察、未来、エキセントリック、反抗心、個人主義、先見性、自由、航空、天文 |
天王星は、その公転周期が84年と、ほぼ人の一生の長さを含むほどの時間をかけます。
このことは、天王星がもたらす影響というのは世代的な影響を象徴しています。
そのため、年齢の近い人同士だと、出生図において同じサインに天王星が位置いることがほとんどであるため、
その影響下に埋没してしまってなかなか天王星の影響を感じづらいということがあります。
天王星が天体として持つ意味とは
それではまずはじめに、天王星が10天体の1つとしてもつ意味についてご紹介します。
占星術における10天体は、それぞれ人のもつ意識の投影と捉えることができ、
天王星も1つの天体としてテーマを持っています。
ここでは、天王星に関する背景的な知識をご紹介し、
ホロスコープを読む際に、参考書ありきの逐語的な解釈ではなく、
柔軟的に、応用の効く解釈ができるようにと考え説明をしていきます。
天王星以降の3天体は新しく発見された惑星
まず、天王星から続く外側の惑星である天王星→海王星→冥王星の3天体は、
占星術の歴史からみると、比較的最近発見された天体です。
つまり、古典的な占星術では主に月から土星までの7天体が見られていました。
このことは、それまでの人類史では、国や地域を超えた広がりは乏しく、
国というトップを超える存在は一般の人々にとっては縁の無い存在でした。
そのため、土星という、ローカルな世界の枠組みの調整機能を司る天体までの意識で、
十分に人生というものは成り立つものでした。
しかし、天王星が発見されたのは、1871年という、ちょうどフランス革命の時期とも被る時期であり、
フランス革命という歴史的な出来事自体が、既存の体制を破壊する変革を象徴していることからも、
これら3天体が新しく発見されたということは、地球レベルでの人の魂の進化と連動していると捉えることができます。
このように、天王星、海王星、冥王星という、太陽系の中で土星よりも外側にある3天体は、
ローカルな枠組みを超えた、より高次元・無意識レベルで、
人の意識に影響を及ぼすのです。
天王星の意識は既存の枠組みからの脱却していこうとする。
土星が、ローカルな世界での既存の枠組みに人を止まらせようと調整したり制限する働きがあるという事と比較すると、
天王星の意識は、そうした既存の枠組みなどおかまいなしに、
ある種の衝動に従って外側へと飛び出していこうとする意識があります。
そのため、土星的な影響が強く働き、社会的な枠組みを大事にしようとする人から見ると、
天王星的な生き方をしている人は、ルールを守らない・変わり者・何を考えているのか分からない、といった印象を受けます。
しかし、この意識は決して既存の枠組みを尊重していないというわけではなく、
そうした枠組みへの盲目的なとらわれから自由になり、
「本当の自分らしさ」というものを見出そうとする意識なのです。
天王星の意識は新たに発見した普遍的な価値を社会に還元しようとする。
上で、天王星の意識は「本当の自分らしさ」を見出す意識と述べましたが、
その意識は決して自己完結的な方向に向かっているわけではありません。
自己完結的な意味での自分らしさの発見はおもに太陽が司る意識であり、
天王星ではもっと社会との関係を前提とした中での「本当の自分らしさ」なのです。
そのため、天王星の意識は、必然的に、
既存の枠の外側で見つけた新しい発見を、普遍的な形で枠の中に付け加えていこうとするのです。
土星の視点からみると、天王星はルールを守らない自分勝手な存在に見えるかもしれませんが、
天王星の視点からみると、土星というのは形骸化して特に意味を生み出さない形式ばっかりのルールの中に閉じこもっている頑固な存在に見えているでしょう。
ホロスコープでの天王星の読み方のポイント
ここまで、天王星が天体としてもつ意識について、
背景的な知識をご紹介してきましたが、
それでは実際のホロスコープでは一体どのようなポイントに注目して、
読み解いて行けばよいのでしょうか。
次に、ホロスコープでの天王星の読み方についてご紹介します。
どこにその人の潜在意識レベルでの独自性があるのか
まず、天王星がホロスコープ上で位置している星座(サイン)・ハウスから、
いったいその人がどういった領域で、そしてどういった点で「独自性」を持ち、そして発揮するのかということを見ていくことができます。
しかし、すでに述べたように、天王星の公転周期は84年ととても長く、
世代レベルで同一の星座(サイン)上に天王星が位置していることがほとんどです。
そのため、星座(サイン)が決定づける、独自性の傾向については、
なかなか自覚できることが難しいでしょう。
しかし、星座(サイン)からの影響を受けていることが事実ですので、
無視はせずより潜在レベルでの影響と捉えると良いでしょう。
そして、その天王星に対して、
他の天体がどのようなアスペクトをとっているかを見ることで、
その人が自身の潜在意識レベルでの独自性をどのように発揮するかについて、
他の天体がどういった影響を及ぼしているのかを見ることができます。
土星との関係性に注目
そして、ホロスコープ上では土星との関係に注目することも大切です。
なぜならば、土星と天王星はその働きが対立しやすく、
土星が既存の枠に止まらせようと平均化する働きであるのなら、
天王星はそういった既存の枠などおかまいなしに拡大する傾向があるからです。
そのため、社会の枠組みの中で自分が期待されている役割も重視しつつ、
天王星がもたらすような自分らしさの謳歌に対する情熱との兼ね合いポイントをうまく見出していくことが大切になります。
生活の安定と自分らしさの発揮のトレードオフ
このように、土星らしさと、天王星らしさはある種のトレードオフの関係にあります。
土星らしさを重要視することは、そのまま社会的な基盤の強固に繋がり、
実生活面で困らないで済むでしょう。
しかし、それだけではどこか自分らしさを存分に発揮できないまま人生が終わってしまっているようなモンモンとした気持ちになってしまいます。
一方で、天王星らしさのみを重要視してしまうと、お金にはならないけれども趣味ばかりにのめり込んでいるといった生活になってしまい、
金銭面といった生活レベルでの話で困難に直面しやすくなってしまいます。
このように、天王星らしさと土星らしさの両立というのは、自然になし得るものではなく、
うまく工夫を凝らして両立ポイントを見出すことが大切なのです。
その点でいうと、最近では自分の好きな事をそのまま仕事に繋げていけるような環境が整ってきていますし、実際にそのような両立的な人生を送っている人も増えているように、
天王星らしさを発揮する中で、土星的な社会的人格を確立していきやすくなっています。
天王星と12星座(サイン)との関係
それでは次に、天王星と12星座(サイン)との関係についてまとめていくわけですが、
天王星というのはこれまでも述べてきたように、世代的な影響力をもちます。
そのため、身近な人との比較の中では、天王星がもたらしている自分の独自性というものにはなかなか気づきにくいかもしれません。
星座(サイン) | 天王星がもたらす「独自性」の領域・性格 |
---|---|
牡羊座 | 「新規性」x「変革」 まだ誰も見聞きしたことのないような新規な事柄を、始めようとする傾向があります。 |
牡牛座 | 「感覚面」x「独自性」 感覚的な面で、他者とは違った個性を発揮する傾向にあります。 |
双子座 | 「知性」x「革新性」 知的な活動において、斬新な発想と方法で他者へと伝達していく傾向にあります。 |
蟹座 | 「帰属意識」x「独自性」 家族関係や、結婚生活、また住む場所など自らの帰属先に対して既存の価値観にとらわれない独自の感性を発達させる傾向にあります。 |
獅子座 | 「自己表現」x「独自性」 他とは違う人生観や個性にこだわる傾向にあり、自らの表現方法に意匠を加えようとする傾向にあります。 |
乙女座 | 「実務能力」x「独自性」 実務の面で、他の人とは違った工夫を加えて効率よく進める発想に長けています。 |
天秤座 | 「対人関係」x「独自性」 他人に対して、その人の本質的な個性を知ることに関心を抱き、一般的な対人関係の考えには縛られずに、自由な発想で他者との関係を築いていく傾向にあります。 |
蠍座 | 「精神的な繋がり」x「独自性」 他者への深い精神的な関わりに対しての独自の考え方を持つ傾向にあります。一度、精神的に深い絆ができた相手とは離れません。 |
射手座 | 「物の考え方」x「独自性」 抽象的なものの考え方が得意であり、他者とは異なる思想を持ちたがる傾向にあります。そこから、哲学や宗教、古代思想などに対する興味を持つ傾向にあります。 |
山羊座 | 「帰属社会」x「独自性」 属するコミュニティの中で、自分ならではの役割を見つけ出すのが得意。また凝り固まった考えなどをうまく改良して時代に合ったものへと変革していくことも出来る。 |
水瓶座 | 「変革」x「独自性」 水瓶座の支配星である天王星が、ここに位置する場合はその人の変革の意識は強くなり、未来に対してであったり、世の中の発展に対して独自の考えと世界観でもって臨んで行こうとする傾向にあります。 |
魚座 | 「感受性」x「独自性」 独自の感受性をもっており、他人からみると変わり者の印象を受ける傾向にあります。芸術に対してセンスをもっています。 |
天王星と12ハウスとの関係
また、占星術においてハウスというのは、魂が活動する「舞台」と捉えてみるとよく、
具体的な行動面での事柄を示します。
ハウスはサインとは違って、生まれた時間・場所によって同世代であっても一人一人異なりますので、
天王星については、ハウスを見ることで、
自分がいったいどういった活動領域で独自な傾向をもっているかということを実感できるでしょう。
ハウス | ハウスがその人の「独自性」に与える影響 |
---|---|
第1ハウス | 「人生観」x「独自性」 自分の人生に対して独自の考えを持ち、周りの生き方に合わせようとはしない傾向にあります。 |
第2ハウス | 「経済管理」x「独自性」 経済面で独自の考えをもち、常識にとらわれない収入源を持つようになる傾向にある。 |
第3ハウス | 「コミュニケーション」x「独自性」 言葉遣いが斬新であるなど、コミュニケーショの面において独自性が出てくる傾向にある。 |
第4ハウス | 「生活基盤」x「独自性」 生活の基盤となるような、住宅環境であったり、家族関係といった面で、他の人とは異なるスタイルをもつ。 |
第5ハウス | 「創造性」x「独自性」 演出面であったり、自己表現の面で独自性をもつ。 |
第6ハウス | 「貢献」x「独自性」 社会への関わりにおいて、独自の方法で貢献をしようとする傾向にある。仕事に関しては自分のリズムがあり、組織に合わせるとなかなかうまくいかない。 |
第7ハウス | 「対人関係」x「独自性」 対人関係において、他とは違った価値観をもち、平凡で規則的な生活ではなく、刺激的な出会いを求める傾向にある。 |
第8ハウス | 「他者理解」x「独自性」 他者への理解のありかたに独自性がある。オカルト的な資質がある。 |
第9ハウス | 「探求」x「独自性」 思想面で独自の価値観をもつようになり、思想、社会運動、哲学などを好む傾向にある。 |
第10ハウス | 「社会的人格」x「独自性」 社会における自らのポジションに対して独自性が現れやすい。独自のキャリアを切り開いていく傾向にある。 |
第11ハウス | 「ルール」x「独自性」 既存のルールに縛られることを好まず、自分の考えを追求しようとする傾向にある。結果、個性的な人脈関係を築きやすい。 |
第12ハウス | 「秘密」x「独自性」 スピリチュアル、宗教的なものに熱中しやすく、内面的な秘密をもつ傾向にある。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、主に「天王星」に絞って、
解説をしてまいりました。
主に、天王星がもたらす意識の部分と、ホロスコープでの読み解きポイントの箇所については振り返っていただけると、
ホロスコープを見るたびに参考書に舞い戻るような読み方ではなく、
自分なりに柔軟性の高い応用の効く占星術を磨いていくことができるでしょう。