土星は地球上における魂の到達地点を示す天体。
「土星」と聞くと、吉凶の区別だと凶寄りの星でなんだかネガティブな印象をお持ちではありませんか?
しかし、それは土星の性質のほんの一面しか捉えることが出来ておらず、
ホロスコープでの解釈で誤解が生じてしまいかねません。
とはいっても、なかなかその意味を捉えづらいのも事実。
そこでこのページでは、そんな「土星」について、
背景的な知識を解説することで、柔軟性の高い応用的な解釈が簡単にできるようにと考えて作成しました。
まずはじめに土星に関する関連知識をまとめた上で、
天体としての土星の意識、ホロスコープでの読み方のポイント、
そして最後に12星座(サイン)と12ハウスとの関係についてもまとめました。
この記事の内容
ホロスコープでの土星の関連事項まとめ
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における土星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 山羊座の支配星・水瓶座の副支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 56歳から70歳 |
公転周期 | 29年 |
象徴 | 制限、抑制、冷静、限界、堅実性、責任、忍耐、試練や制約、孤独、秩序、厳格、遅延、保守、粘り強さ、限界点、安定性、老成、時間性、保守的、権利、契約 |
土星が天体として持つ意味とは
占星術において、天体それぞれには人間の10個の意識が投影されています。(天体の意識が人間に投影されているとも言える。)
それでは、土星という天体は、一体どのような意味を司っているのでしょうか。
良くも悪くも平均化していく土星の意識
土星の意識というのは、過剰なものは減らし、そして不足しているものは増やすような、
全体の平均値を目指すような働きをもっています。
この全体平均に戻っていこうとする性質は、行き過ぎたり、目立ち過ぎている人にとっては、出る杭が打たれるような「制限」として感じられ、
一方で、不足している人にとっては、苦手意識を克服さえようと迫る「困難」として感じられます。
このように、土星には「増やす」働きも「減らす」働きもあるのですが、
本人の意図とはおかまいなしに働く力ですので、「制限」や「困難」というような状況に出くわすことになるのです。
この点で、土星の意味について一括りに「凶」のイメージをもつことは、
土星の意識の働く文脈を無視している捉え方になるので注意が必要です。
ただし、注意が必要なのは、ここでいう「平均」というのは、
いわゆる世間一般における平均的な生き方という意味ではなく、
自分の中に芽生える成功イメージの妥当な落とし所といった意味で捉えると良いでしょう。
土星は地球上の生活の1つの達成イメージ
そして、土星は地球上における人生の1つの達成イメージをもたらします。
これは、「月→水星→金星→太陽→火星→木星」という、土星より太陽寄りの6つの天体の意識の発達の「総合到達点=ゴール」とイメージすると良いでしょう。
それではこの「ゴール」なる場所は一体どのように決まってくるのかというと、
気づいたらそこにあった成功イメージや理想像のイメージのように、
無意識の領域ですでに定まっています。
この「ゴール」のありかというのは、「冥王星→海王星→天王星→土星」という、
流れの中で降りてくるものであり、漠然とした自分の中での「善」なるイメージと一致します。
例えば、子供が将来の夢を聞かれた時に答える将来の姿というのは、
一体どこから湧いてくるものなのでしょうか。
もちろん、まだ短いながらもそれまでの人生の中で見たり聞いたり感じたものの中から、
自分の心の琴線に触れた対象がまさに将来なりたい姿として浮かび上がるのでしょうが、
その子供の心に知らない間に出来ていた心の琴線なるものは、
まさに先ほどの「冥王星→海王星→天王星→土星」という太陽系を超えた意識の下降の中で、
生まれた時点ですでに子供の中に善なるイメージとして根付いているのです。
土星の意識が発達していないと借り物のゴールが設定される
しかし、そうした土星の意識をちゃんと発達させられていない場合、
本来土星がもたらしてくれる達成イメージというものは空の状態のままです。
上の画像の例で例えるのならば、ゴールまでの指示役としての土星が不在した場合、
いったい自分はどっちにむかって走ったらいいのか、また今の自分はこのままでいいのか、
といったことが不明なままになってしまいます。
そして、こうした空の状態を埋めるために、人は身の回りを見渡してみて、
世間一般でいうところの平均的な生き方を良しとしてゴールを設定してしまいます。
しかし、先ほども述べたように、土星が目指す平均値というのは、
世の中の平均的な生き方という意味での平均ではありません。
そのため、その借り物の達成イメージに向かって走って行ってしまうと、
走りながらどこか違和感を感じるような生き方になってしまいます。
ホロスコープでの土星の読み方のポイント
それでは、ホロスコープでの土星は一体どのように読み解いて行けばよいのでしょうか。
ここでは、具体的な読み方ではなく、応用性の高い抽象的な観点からその読み方のポイントをご紹介します。
土星は前世からのカルマのありかを示している
さて、上の説明にて土星はその人の中の妥当な平均値を示すわけですが、
その平均へ向かう動きというのは、人生の中では「制限」や「苦手」といったように感じられると説明しました。
そして、こうした「制限」や「苦手」といったハードルを乗り越えて、
理想の姿に向かうということは、前世から引き継いだカルマと捉えることができます。
カルマといのは、結果を伴う行いのことであり、つまり前世で学びそびれたから、
今世で学ぶべきこととして人生に現れてくる事とイメージすると良いでしょう。
そして、まさに土星が示す試練というのは、その試練を通じて学ぶべきことを示しているわけであり、
その試練を通じて今世で学ぶべきことを得ることが出来るのです。
土星とサイン・ハウスの関係から課題と目標が見えてくる
そのように、土星からは前世から引き継いだ「宿題=カルマ」が見て取れるわけですが、
その内容というのは、土星とサイン・ハウスの関係から見ることができます。
占星術においては、天体というのは人間の意識の分身であり、サインはその分身の性格的色付け、そしてハウスはその分身が活動する舞台と捉えると良いでしょう。
そのため、土星とサインの関係をホロスコープ上で見ることで、
一体その人がどのような領域で宿題を抱えて今生を生きているのか、
さらに、土星とハウスの関係をホロスコープ上で見ることで、
一体その人がその領域のどういった面で宿題を抱えて今生を生きているのかということを知ることができます。
そして、土星とアスペクトを作る天体を見ることで、
他の天体が土星の意識に対して一体どのように干渉してこようとしているのかという部分も見ていくことができます。
太陽と土星の関係に注目
また、太陽と土星の関係についてもホロスコープで注目することで、
太陽的な個人的な願望イメージを、いったいどうやって土星的な社会的達成イメージへと結びつけていけるかという事についても見ることが重要です。
土星が示す達成イメージというのは、太陽系の外からやってくる、もっと高次元の意識からもたらされるわけですが、
太陽が示す願望イメージというのは、地球基点に月→水星→金星の流れのように、
あくまでも個人的な領域に止まった理想の姿です。
この個人的な理想の姿と、社会的にあるべき達成イメージとをうまく結びつけて、
はじめて個として社会の中で学ぶべきことを学び取る人生を送ることができるのです。
土星と12星座(サイン)との関係
ここまで紹介してきたように、土星が位置する星座(サイン)からの影響を見ることで、
その人がいったいどのような領域で「制限」や「課題」を乗り越えて行かないといけないのかということ見ることができます。
ここでは簡単に牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座の12星座(サイン)と、土星との関係について見ていきます。
解釈の仕方としては、その星座(サイン)のテーマにおいて、
前世で十分に学ぶことができなかったため、宿題=カルマとして今生にもちこしたと捉えると良いでしょう。
そして、前世で得意だったからこそ、学び損ねた領域と捉えるとなおよく、
そのためその領域については得意なんだけど、得意だからこそ感じる困難がそこにはあるという理解で望むと良いでしょう。
星座(サイン) | 人生における苦手意識・課題・目標について |
---|---|
牡羊座 | 「新たに切り開くこと」x「カルマ」 まだ注目されていないような新規の領域で、自らが主体となって切り開いていくことが目標であると同時に課題。 しかし、勢いが過ぎて失敗したことへの反省、または自ら舵を取ることへの恐れからの克服と学びが大切になる。 |
牡牛座 | 「物質的・感覚的な豊かさ」x「カルマ」 自らの感覚的な豊かさを活かして、物質的な豊かさを受け取ることが目標であると同時に課題。 物質へのこだわりが強いため、側から見ると困窮しているように見えなくても、本人的には経済的に困窮している。 自分にとって一体なにが本当の豊かさなのかを見極めて、豊富な才能を活かしてそれを受け取れるようになることが重要。 |
双子座 | 「知的能力・コミュニケーション」x「カルマ」 自らの知識を他者と分かち合い、アイデアを具現化していくことが目標であると同時に、課題。 |
蟹座 | 「親密な信頼関係の形成」x「カルマ」 不安や恐怖といった様々な感情と向かい合いながら、他者と親密な信頼関係を形成していくことが目標であると同時に、課題。 もともと他者への深い共感能力という才能をもっているが、もっているが故に、他者や家族との関係で大いに悩んでしまう。 そうした悩みの時期を乗り越えて、他者との親密な関係を築いていけることを学ぶ中で大きな成長がある。 |
獅子座 | 「自己表現」x「カルマ」 見栄やプライドを捨てて、ありのままの自分の姿を表現していくことが目標であり、課題。 表現力や演技力に才能があるが、何事もオーバーに表現してしまう傾向があり、そのことで他者からの理解が得られなかったり不信を買ってしまう。 そうした才能を、飾らず純真なありかたで活かすことができると、大きな成長に繋がる。 |
乙女座 | 「窮屈な完璧主義」x「カルマ」 何事も完璧にしなくてはいけないという、窮屈な完璧主義から抜け出して、等身大の自分の能力を認め、そうした自然体の自分として社会に貢献していけるようになることが目標であり、課題。 もともと、緻密な実務能力に恵まれているが、かえって完璧さを求めすぎるがゆえに辛くなってしまう傾向にある。 |
天秤座 | 「対人関係」x「カルマ」 人と適度な距離感と調和でもって協力をしていくことが目標であり、課題。 本来、対人関係でのバランス感覚は優れているのですが、優れているが故に細かいところが気になり、結果として苦手意識をもってしまいがち。 そうした苦手意識を克服して、自らの調和能力を活かして集団をマネジメントしていく中で大きな成長がある。 |
蠍座 | 「深い関係」x「カルマ」 人や事など、特定の対象と深く関わると同時に、操作的ではない開放的な信頼関係の構築を学ぶことが目標であると同時に、課題。 本来、他者と深く関わっていくことに優れているのですが、それが度を過ぎて支配的になってしまう傾向にある。 他者との深い絆を通じて、支配や操作ではなく、開放的な自我の発展をもたらせられるようになると大きな成長がある。 |
射手座 | 「既存の枠からの自由」x「カルマ」 視野や行動範囲を広げて、様々な知識や人や考えと触れる中で、そこで得たアイデアや哲学をもって、よりよい社会への貢献を果たしていくことが目標であり、課題。 古い枠組みの中から外に出ることで自分の立場が脅かされるのではないかと不安を感じやすいが、 そうした不安を克服して、もっと広い視野をもてるように活動や思考の範囲を広げていく事で大きな成長がのぞめる。 |
山羊座 | 「社会的成功」x「カルマ」 権力や地位を得ていくことへの恐れを無くし、経験や実績を積んでいき、社会的意義のある大仕事をすることが目標であり、課題。 |
水瓶座 | 「オリジナリティ」x「カルマ」 自分の独創性を発揮することで集団から浮いてしまうという恐れを克服し、社会の中で自分のオリジナリティを発揮する中で世の中を住みやすくしていくことが目標であり、課題でもある。 個性的であるが故に、集団に溶け込むことに対して苦手意識をもってしまう傾向にあるが、 自らの個性を自分で受け入れて、隠すことなく自然に発揮していくなかで、独自性のある価値を発揮していくことができる。 |
魚座 | 「自分の心の底にある理想」x「カルマ」 自分の心の奥底にある感情や理想を押さえつけずに、受容し、その理想に向き合って高い直感能力を活かしていくことが目的であり、課題。 信じることや共感することに対して恐れを抱いてしまう傾向があるが、それを克服して高い共感力と直感を活かしていくことで大きく成長することができる。 |
土星と12ハウスとの関係
また、占星術においてハウスというのは、魂が活動する「舞台」と捉えてみるとよく、
具体的な行動面での事柄を示します。
そのことを念頭に、サインの時と同じように解釈するようにすると良いでしょう。
ハウス | ハウスが土星に及ぼす影響 |
---|---|
第1ハウス | 「自己」x「課題」 自分に対する苦手意識があり、ルールに従おうとする。 自分自身を受け入れることで成長できる。 |
第2ハウス | 「所有」x「課題」 物質面での欠乏感を抱きやすい。 自分の才能や個性を活かして金銭を受け取ることへの心理的抵抗から解放され、豊かさを受け取ることが課題。 |
第3ハウス | 「知性」x「課題」 コミュニケーションや学力の面で苦手意識を感じてしまうが、そこを乗り越えて価値あるメッセージを発信していくことが課題。 |
第4ハウス | 「基盤」x「課題」 自らが属する場所に関して課題を感じやすい。信頼できる仲間や場所を見つけて絆を育てていくことが課題。 |
第5ハウス | 「自己表現」x「課題」 素直な自分の気持ちを表現していくことに課題を感じやすい。本当の自分を表現してワクワクするような生活を送っていくことが課題。 |
第6ハウス | 「社会的自己」x「課題」 社会における自分の価値を低く見積もってしまいがち。自己の専門性でもって社会に貢献していくことが課題。 |
第7ハウス | 「他者」x「課題」 結婚や対人関係での課題を感じやすい。信頼できる人間関係を築いていくことが課題。 |
第8ハウス | 「共有」x「課題」 他者と同化していくことに関して課題を感じやすい。他者との信頼関係の中で共有していくことが課題。 |
第9ハウス | 「探求」x「課題」 学問や海外に対して課題を感じやすい。信頼できる信条や法則を見つけ出すことが課題。 |
第10ハウス | 「社会的達成」x「課題」 世間の中で評判・名誉を得ていくことに課題を感じやすい。経験を積み重ねる中で本物の実力を身につけ、実績を残すことが課題。 |
第11ハウス | 「集団」x「課題」 心を開いて集団と関わっていくことに対して課題を感じやすい。他人同士の違いを受け入れ自由に人と関わっていくことが課題。 |
第12ハウス | 「深層心理」x「課題」 潜在意識の領域において課題を感じやすく、悪い方向への思い込みをする傾向にある。そうした抑圧を癒し解放していくことが課題。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、占星術における土星について、
いちいち参考書を見て確認しなくても柔軟な解釈が出来るようになることを目指して情報をまとめてきました。
また当サイトでは、この他にも占星術について色々な角度から情報をまとめておりますので、
是非そちらもご覧して行ってくださいね♪