このページでは、タロットカードの大アルカナの9番が付された「隠者」のカードについての解説を行います。
解説の流れとしては、まずはじめに隠者のカードの背景知識を持つために絵札が象徴する事柄についての解説をします。
次に、正位置・逆位置での一般的な解釈方法を解説し、最終結果や対策などスプレッドに割り当てられた意味での解釈例を紹介。
そして最後に、恋愛、相手の気持ちや仕事、未来の予測といった、
占い用途別での解釈の方法についての解説をします。
あくまでも、タロット占いでは質問の内容であったり、並べられた他のカードとの関係性から意味が定まるものではありますが、
そうした応用的な解釈が可能になるためにも、まずはカードに秘められたシンボルの理解と、基本的な解釈方法についての理解が欠かせないでしょう。
なお、当ページでは主に「ウェイト版」のタロットカードの隠者の意味についての解説を行いますが、その他の版のタロットカードについても類似している事柄の方が多いので、いずれにしても役に立てる内容になっています。
タロットカードの隠者とは?
タロットカード大アルカナの「9」の数字が付けられたこのカードの名前は「隠者(THE HERMIT)」です。
大アルカナのこれまでのカラフルな絵札とはガラッと変わり、
そこに描かれるのはひっそりと佇む一人の老人のように見える人物です。
一体このカードはどのようなことを物語っているのでしょうか。
それではまず初めに、隠者のカードの解釈をするにあたっての背景知識の解説をします。
ウェイト版のタロットカードをお持ちの方は隠者のカードをお手元にご用意して実際に見ながら解説をお読みになると良いでしょう。
もしお手元になくても上の写真を見ながら自分なりにこのカードから一体どのようなことを感じるかを大切にしながら読み進めてみて下さい。
絵札の説明
少し青みがかった灰色を背景に、
そこには全身を灰色のマントで包み込み、黄色の杖と、ランタンを持つ一人の人物が下を向いた姿でひっそりと立っています。
太陽の光はそこには見当たらず、ゴツゴツとした足元はここが岩山の上であることを表しているようです。
彼が右手で掲げるランタンの中には、光り輝く六芒星があり、
この一面の暗闇を照らす真理の光のようです。
ここに描かれるのは社会から一人離れて、自己の内面を見つめる隠遁者の姿であり、質素な姿で精神鍛錬に勤しむ修行者です。
彼は、静けさと孤独によってのみ、自らの内側の世界に入り込み、
真理の探究の道を歩んでいくことができる事を知っているのです。
彼は人間の肉体性や精神性をも超越した、高尚な霊性の獲得の道を歩んでおり、
そこで得られる悟りは、決して言葉では言い表せないということを、
その姿で表しているのです。
このカードが象徴することとは
隠者に描かれる老人は、賢者であり、悟りと達観の象徴です。
そこに描かれているのは、自己の内面の探究によってはじめて明かされる深淵なる真理のありかです。
肉体性、精神性を超えたさらに向こう側にある深淵なる知恵、すなわち宇宙の法則は、
隠者のカードに描かれるように、世俗的な世界からは一人離れ、
静けさと孤独の中でじっと目を瞑ることではじめて、
人間は真理の探求を始めることができることが示されています。
無智であるが故に全智であった愚者に始まり、
魔術師から力のカードの過程で人間は自分という存在を学び、そして他者との関係とを学んできました。
そうした学びの中で得られた様々な精神的な成長を、
隠者のカードでは一旦うちに持ち帰ってじっくりと統合し、
そこから真理のエッセンスを導きだそうとする段階と言えるでしょう。
灰色のマントで全身を覆い隠し、世間から隠れ一人でいる隠者のように、
そうした内面的統合の段階は静かに一人でいる時にはじめて訪れるという事が暗示されているのです。
そして、
青みがかった青色の背景は、彼が内面の旅に出かけている事を、
長く伸びた髭は彼が随分と長い間そこにいる事を、
そして黄色の杖は、哲学的な思索の中で一歩一歩を歩を進めている事を
物語っています。
ランタンには、四大要素の統合の象徴である火が灯され、
彼がすでに万物を構成する4つの側面の扱い方を熟知していることが示され、
そしてそこに光り輝く灯が、
神の創造力を象徴する上向きの三角形と、神の厳しさ(破壊)を象徴する下向きの三角形が重なり合った六芒星になっていることは、
隠者である彼が、真理の探求の中で偉大なる宇宙の法則を見出していることを表しているのでしょう。
愚者と隠者の関係
大アルカナ0の愚者と、隠者とではその絵柄に対照的な要素を多く見出すことができるでしょう。
愚者が、太陽の光を背景に、天を見上げ、棒を担ぎ、意気揚々と歩いているのに対して、
隠者では、そこに太陽の光はなく、地を向き、杖を持ち、静かに黙って俯いています。
しかし、両者に共通するのは、高い霊性によってはじめて見つけられる真理です。
何も知らないけれどもすでに真理と一体となっていた愚者は、
その真理との一体化の状態からは離れ、魔術師から始まり力のカードへと至る魂の成長の中で多くの事を学びました。
そして隠者のカードの段階で再び真理を見つけるために、これまでの経験を持ち物に、内面の深い旅へと出かけ、再び真理のありかを探していると捉えることができるでしょう。
愚者に関する記事:
【タロット】愚者の意味とは?
魔術師と隠者
魔術師と隠者は、両者とも知識や知恵という側面が象徴されている点で共通していると言えるでしょう。
しかし、魔術師のカードが象徴する知識というものが、
学校などで目で見て耳で聞いて養い、成長の過程で培う学識や応用力、語学といった道具的な知識を指し示しているのに対して、
隠者の示す知識や知恵というものは、
決して学校などで一般的に教えられているようなものではなく、
経験と修行を通じてはじめて培われていく深い洞察力、
主観的と言っては主観的なのだけれども、その背景には奥深い理解が土台としてある知恵と言えるでしょう。
魔術師に関する記事:
【タロット】魔術師の意味とは?
シンボルの意味
さて、そんな隠者のカードですが、その絵札には注目すべきシンボリズムの数々が散りばめられています。
これらのシンボリズムは、隠者の他にもウェイト版のタロットカード全体において一貫して適用されており、
これらのシンボルの象徴する事柄への理解があると、より一層タロットカードへの理解が深まります。
シンボル | 意味 |
---|---|
9 | 成熟の一歩手前。最終的な局面。 |
青みがかった灰色 | 内面的な思索 |
輝く光 | ひらめき、叡智の象徴、真理 |
燃える火 | 四大要素(火・水・風・地)の統合 |
杖 | 指揮、指導力、哲学的な思索 |
髪や髭 | 時間の経過 |
六芒星 | 創造と破壊の神の力 |
マント | 庇護の象徴 |
老人 | 経験により知恵を持った賢者、教訓、悟りの象徴 |
関連事項について
また、タロットカードに関連する背景的な事項と、隠者のカードとの関連についても下記にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
4大元素 | 風 |
惑星 | 水星 |
十二宮 | 処女宮 |
十二星座 | 乙女座 |
生命の樹 | 第九の鍵、第二十の小径 |
鉱物 | ペリドット |
花 | シャクヤク |
ハーブ | ビャクダン |
食品 | 豆 |
エジプト神 | アポロス |
ギリシア守護神 | クロノス |
曜日 | 水曜日 |
人体 | 膵臓 |
色彩 | オリーブ |
ヘブライ文字 | ヨッド |
(そのほか参考になる記事 【一覧】タロットの大アルカナの意味・覚え方とは?)
占いでの意味について
それでは、次に実際のタロット占いの際に、隠者のカードが出てきた際にどのようにその意味を解釈していったら良いのかという点について解説をします。
ただし、その前に念を押しておかなくてはいけないことがあり、
それはタロットカードの意味は定まったものでは決してなく、
カードからどのような事をその時感じるかや、スプレッドの中での他のカードとの関係性などから、非常に流動的に意味を読み取っていく必要があるという事です。
そのため、正位置ではこの意味、逆位置ではこの意味、というような固定的な解釈であったり、このカードには〇〇通りの解釈方法があって今回はこの解釈に当てはまるといった、
逐語的な解釈などは避けるようにしましょう。
それを踏まえた上で、タロットカードの隠者の意味の解釈について、
まずはそのキーワードをポジティブ・ネガティブの軸に沿って紹介し、
他のカードの関係性について、反対の意味を持つカードと、互いの意味を強める意味を持つカードを紹介。
その後、隠者の意味の解釈例をご紹介していきます。
キーワード
それではまずはじめに、隠者のカードから導き出すことが可能である解釈のキーワードを、上から下にかけて、肯定的な意味から否定的な意味へと一覧に並べて見ました。
一番上が、隠者のカードをもっとも肯定的に捉えた時の意味での解釈であり、そこから徐々に肯定でも否定でもない中間的な解釈、そして一番下にかけて否定的な面が強く出た場合の解釈となっています。
どのキーワードにしても、「このカードが象徴することとは」の箇所で説明したような事柄をベースに、
そこから派生的に発生するキーワードが隠者を取り巻く占い的な解釈のキーワードとなります。
【隠者のキーワード】
- 精神の深淵から湧き上がる知恵
- 深い洞察力
- 高尚な精神性
- 精神的な成長
- 沈黙、瞑想、内省
- 隠されている事
- 単独行動
- 頑固
- 卑屈
- 陰湿
- 浅い知識
- 未熟な精神
- 浅はかな行い
これらのキーワードは、世間からは一旦身を引き、自分一人で内面の世界を深く探求していくというプロセスと、そこで得られた真理や知恵、
という事柄に関連して派生してくるキーワードです。
これらのキーワードに関しては、正位置だと肯定的な解釈を、逆位置だと否定的な解釈といった当てはめ方では解釈を読み誤ります。
逆位置でも、他のカードとの関係性であったりスプレッドの位置次第で肯定的に捉えるべき場合もありますのでその点は注意してキーワードを見るようにしましょう。
反対の意味を持つタロットカード
また、タロットのその他のカードの中で、
この隠者のカードと反対の意味を持つカードは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で反対か |
---|---|
恋人(大アルカナ7) | 関係を持つ、セクシュアリティ |
世界(大アルカナ21) | 世界と共にある |
カップの2 | つながりを作る、パートナーシップ |
カップの3 | 集団に入る、誰かと一緒にいる |
カップの9 | 官能的な喜び |
互いの意味を強めるタロットカード
そして、タロットのその他のカードの中で、
隠者のカードと互いの意味を強めるのは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で互いに強めるか |
---|---|
女教皇(大アルカナ2) | 心の内側、身を引く |
カップの4 | 内省的になる |
カップの8 | 深い意味を求める |
ソードの4 | 塾考する |
ソードの7 | 他人から距離を置く |
(参考になる記事:【一覧】小アルカナの意味と覚え方とは?)
それでは次に、隠者の意味の一般的な解釈例をご紹介します。
意味① 真理の探求
隠者のカードに描かれるのは、一人自分の内面と向かい合い、
心理の深層に潜む深淵なる心理の姿を探求する一人の求道者です。
このカードが出されたのであれば、
それは世俗の出来事や、エゴが生み出す諸処の欲求からは一旦目を背け、
ひたすらに自己の内面へと潜っていき、
隠された真実を見つけるべきであることが示されています。
このことは、精神の深淵からくる高尚な知恵がもたらされるであろうことが暗示されている場合もあれば、
心理の探求のプロセスに焦点が当てられ、そこでの学びや態度が暗示されている場合もあるでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな位置関係である場合には、
真理の探究の姿からはかけ離れてしまっているであろうことが指摘されているでしょう。
それは隠者の姿とは対照的に、世俗の世界ででしゃばり、思慮分別を見失っている姿かもしれません。
また、中途半端な理解で、あたかも全てを理解したような、
幼稚な精神性や、浅はかな知恵を振りかざしている様子が指摘されているでしょう。
何れにしても、真理からは離れていることが示されていると同時に、
本質的な部分への回帰が必要であることが示されています。
意味② 孤独を求める
精神的な深い探求のためには、隠者のカードに示されるように、
灰色のマントで身を隠し、目を瞑り、じっと下をうつむいて、
世俗の世界からは一線を引いて離れなければいけません。
真理の探求は、自分の内面の旅でしか得られず、そのためには静かに一人黙る必要があります。
このカードが出された時には、今がまさに自分の内面世界との見つめ直しを行うべき時であり、
そのために、一旦社会の喧騒からは離れて、一人静かになれる時間を確保するべきであることが示されています。
それは、なにも出家したり修行の旅に出よ、という意味ではなく、
日常的なリズムの中に、一人になれる時間、瞑想をとる時間などを確保するようにと示されていると捉えると良いでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
孤独になるべき時に、孤独になっていない状況が指摘されているでしょう。
学校や会社から帰ってきて、一人になれるはずの時間にも、
スマホを開き、SNSで他者とつながり、孤独に対する恐れを漠然と紛らわしているだけかもしれません。
このカードは、魂の成長のためには、一旦一人になる勇気を持ち、
孤独に向き合わねばならないと伝えています。
また、逆に、一人で立ち止まっている事を指摘されている場合もあるでしょう。
これ以上内面世界と向き合っていても真理の扉は開かないでしょう。
それはまだ社会での学びが足りておらず、内面世界の旅のための経験という道具が足りていないのです。
いつまでも内にこもっていないで、外に出るべきであると指摘されている場合もあるでしょう。
意味③ 導き
隠者のカードに描かれる老賢者は、霊性をとらえる目(心)を培っていない人間にはその姿を捉えることはできません。
隠者である彼は、一人そこにじっと立ち、真理を求める求道者の道案内をするためにそこで待っているのです。
このカードが出されたのであれば、それは精神的な探求の導きや指導が訪れるであろうことや、
もしくは自分が他者を精神的に導いてあげる役目を受けるべきであることが示されているでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
それは魂の導きが得られないことが示されているでしょう。
その原因は、霊性を重要視しない浅はかな態度にあるかもしれませんし、
自分の内面と向き合うことを知らず、ただ社会の流れに流されるがままに生きる姿かもしれません。
意味④ 洞察力
隠者のカードが象徴しているのは、精神の深淵にある宇宙の真理であり、隠された真実です。
隠者である老賢者は、その真理をランタンの中の六芒星の光の中に見出しており、いつでもそこから深淵なる智慧を受け取る事ができます。
このカードが出された時には、
物事の裏側にある本質部分への鋭い洞察力を発揮せよと示されているでしょう。
表面的な解決や判断ではなく、精神的な洞察があって初めて見出せるような真実を発見するべきであると暗示されています。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
洞察力に欠けていること、浅はかであること、理解がなっていないことなどが警告されているでしょう。
内省の習慣をもつことで、日々の経験から学べることをもっと自分の内面で咀嚼して知恵へと変換する習慣が必要でしょう。
隠者の逆位置について
さて、すでに隠者の逆位置については、逆位置だからといって、ネガティブな意味を短絡的に当てはめるべきではないことについては触れました。
その上で、隠者のカードが逆位置で出た場合など、正位置の意味とは逆であったり、
反対の応用的な解釈が必要な場合のポイントについても解説をしておきます。
一般的に、逆位置というのは、カードの意味する本質の部分が過剰している状態、不足している状態、正反対の状態を示しています。
そのため隠者のカードは逆位置であったり、ネガティブな位置関係で出た時には、
キーワードとしては以下のものが当てはまる可能性があるでしょう。
浅い知識・未熟な精神・出しゃばる・秘密をばらす・反省しない・頑固すぎる・慎重すぎる・考えすぎる・細かすぎる ・陰湿になる・卑屈になる
などです。
これらの逆位置に示されるネガティブなキーワードは、
隠者の象徴する内面世界の旅と真理の探求の姿が裏目に出たか、もしくは中途半端か、あるいは真逆の様子であることが指摘されているでしょう。
隠者のように、内省の習慣を持たない人間は、深い洞察力を培うことができず、浅はかで短絡的にすぐ結論を出したがり、
また自分が出した結論が絶対に正しいかのごとく出しゃばる未熟な精神性が浮き彫りにされます。
そのような有様は、真実を知る本来の姿とはかけ離れており、
遅かれ早かれ挫折や困難を味わい自分の内面を見つめ直さざる負えないような状況に追い込まれることになります。
スプレッドでの意味の解釈方法
それでは次に、実際にスプレッドに隠者のカードが出た時の意味の解釈方法について、
スプレッドに割り当てられた役割に応じて、
隠者のカードがどのような意味を示しているのかという事について解説をします。
状況・状態
状況や状態を示す場所に隠者のカードが出たのならば、
それは状況としては動きはないけれども、精神的な面では強いつながりや、深い洞察が行われているであろうことが示されているでしょう。
逆位置の場合
思慮が足りていないという状況や、自分の考えに固執してしまっているだけの状況などが指摘されているでしょう。
相手の気持ち
相手の気持ちとしては、静かに穏やかな気持ちとして、精神的な繋がりを感じていることが示されているでしょう。
もしくは、相手の興味関心は内面に向かっており、外には開かれていないことが示されているでしょう。
逆位置の場合
精神的に未熟な気持ちや、内にこもって偏屈になってしまっている様子が伺えます。
原因・理由
ポジティブな出来事の理由と捉えるならば、
過去の深い洞察力や、地道な努力が実を結んだであろうことが示されているでしょう。
逆位置の場合
一方で、ネガティブな出来事の原因として捉えるならば、視野が狭かったことや、融通が聞かなかったことなどが原因となってしまったことが示されているでしょう。
最終結果
表面ばかりを見ていては決して気づけなかったような真実の姿が明かされるでしょう。
またこれまでの努力が身を結ぶであろうことが示されています。
逆位置の場合
自分の世界に閉じこもって偏屈になってしまうことが示されているでしょう。
対策
お互いを信頼しあい、理解するような精神性の高い繋がりを作るようにすると良いでしょう。
もしくは、自分の内面を見つめ、一回整理する時間を確保すると良いでしょう。
また、目上の人や先人にアドバイスを求めると良いでしょう。
逆位置の場合
卑屈になって相手を無闇に疑いにかかったり、頑固な態度を取らないようにしましょう。
恋愛について
タロット占いと恋愛の動向とはよくセットで取り上げられるテーマです。
次に、恋愛という文脈で、
出会い、片思い、復縁、交際中、結婚
という5つのテーマごとに、正位置・逆位置での力のカードの解釈例についてご紹介していきます。
いずれも、隠者のカードが象徴する事柄をベースに、
そこから連想的にイメージできる内容が占いでの解釈となりますので、
一体隠者のカードのどういった部分がこのような解釈につながっているのかという点に着目しながら読み進めるとタロットリーディングの能力向上にも繋がるでしょう。
ただし、隠者の象徴するところが「孤独」であることからも分かるように、恋愛に関しては全く別の視点を持ち込むことが示されることになるでしょう。
それは燃え上がるような恋というよりは、プラトニック(純粋で精神的なこと)な恋であり、精神的な結びつきが重視される関係性が示されているでしょう。
逆位置で示される場合には、恋愛関係とは別の事が大切であることが示されているか、内向的な性格を改めてもっと社交的にアプローチするべきであることが示されているでしょう。
出会い
出会いに関しては、あなたもしくは本来会うべき相手が、内面的な世界への旅に出かけており、そもそも気づかれないであろうことが示されているでしょう。
今は、他者との関係性の中で学ぶ時期ではなく、自分の内面との対話こそをするべき時であることが示されているでしょう。
もしくは純粋で精神的な恋愛の訪れが予期されている場合もあるでしょう。
逆位置の場合
逆位置であっても同様に、エゴのレベルで出会いを望んでいるのであれば、やはり今は出会いの時期ではないことが示されているでしょう。
片思い
片思いに関しては、気になる相手の視点が内面世界へと向いており、
恋愛関係などには向かれていないことが示されているでしょう。
もしも、何かしらの関係性があったとしても、
それは恋愛関係ではなく、精神的なつながりといったものに止まるでしょう。
逆位置の場合
逆位置の場合には、そもそも精神的なつながりとして恋愛関係には結びつかなそうであること、
もしくはもっと自分の態度をオープンにしていき、アプローチすることが大切であることが示されるでしょう。
他のカードとの文脈を見てみましょう。
復縁
復縁に関しては、自分、もしくは相手が今は恋愛関係といった繋がりを求めていない状況が伺えます。
魂が示す道は、内面世界の探求であって、
今は一旦距離を置いた方がいいかもしれません。
逆位置の場合
一方で、逆位置である場合には、
復縁を求めるという姿勢が、真理とは離れておりエゴに支配されている状況が示されているかもしれません。
今は、過去の関係性への回帰を望むのではなく、
過去の経験をもって内省を行い、魂の成長に取り組むべき時期であることが示されるでしょう。
交際中
交際中の関係に対して、隠者のカードが出されるのであれば、
それはこれまでのような楽しい恋愛関係からは一旦離れ、
お互いの立場のことや、今後のことについて本当のところをじっくりと話し合う時期がきているのかもしれません。
無口な愛情表現が吉でしょう。お互いしゃべらなくても、心では分かり合っているという関係性へと発展できる時期と捉えることもできるでしょう。
もしくは、二人の関係はすでに精神的に高いレベルにまで上がっており、落ち着いて穏やかな関係であることも示されているでしょう。
逆位置の場合
気持ちの面で、お互いに背を向き合ってしまうことになっているかもしれません。
価値観が合わないという場合もありますが、単なる疑いや偏見の思いが原因で関係が悪化しているという状況もありえるでしょう。
結婚
結婚に関して自分がどのように捉えているのかということが、
このカードでは示されているかもしれません。
結婚とは、いわば社会的な決まりであって、形式的なものにすぎないと捉えることもできるでしょう。
結婚を望むのであれば、そもそも結婚についてどのように考えているのか、じっくりと内省するべきであることが示されています。
また年長者にアドバイスを求めるのも吉とでるでしょう。
逆位置の場合
結婚生活を営むレベルの精神性がまだ整っていないことが示されている可能性があるでしょう。
仕事や未来について
さて、上では恋愛の占いについての解釈例をご紹介しましたが、
最後は仕事や未来についての占いにおいて、隠者のカードが意味することの例をご紹介します。
仕事について
仕事に関して隠者のカードが出されたのであれば、
それは、洞察力のある視点、集中力の高まり、思慮分別がある態度、精神性の高い態度、
といった隠者のカードに示される事柄が仕事の面においてもプラスに発揮されるであろうことが示されているでしょう。
ただし、カードとしては目立った態度や言動、また表面的な解決策に安易には走らないほうが良いことが示されているでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるのであれば、
それは隠者が示す逆の事柄、すなわち、
自分の考えに固執して頑固な態度、浅はかなアイデアや計画、内向的になりすぎていることなどが凶と出て、
仕事上でも問題となってしまっていることが指摘されているでしょう。
未来について
未来について隠者のカードが出されたのであれば、
それは努力は実るであろうことや、道は拓けていくであろうことが予期されているでしょう。
はたから見れば停止しているように見えることでも、その内部ではすさまじい探求が行われており、
そのことがそろそろ花開くであろうことが予期されているでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
明けるはずの夜がなかなか明けない状態が示されているかもしれません。
もっとしっかりと自己の内面と向き合うべきであることが暗示されているかもしれません。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、タロットカードの大アルカナ9番の「隠者」のカードについて、
その絵札の解説からシンボルの意味、
また占いでの隠者の一般的な解釈方法から、スプレッドや恋愛・仕事などの占い別での解釈例について、
幅広く解説をしてきました。
占いでの解釈例についても、様々なものを取り上げましたが、
その解釈の根拠としてはこのカードが象徴する一連の物語の側面にあることに注目し、
占いの内容や他のカードとの関係性などから、より応用性・柔軟性のある解釈ができるようになりましょう。
当サイトでは他にも大アルカナ・小アルカナについての理解が深まるような記事やそのほかのアルカナについての解説もしておりますので、
タロットカードにご興味のある方は是非そちらもご参考くださいね。
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