木星は個を含む全体的な発展を司る。
西洋占星術においては、「木星」はポジティブな意味をもつと思われている方は多いかと思うのですが、
どういった意味でポジティブなのか、という背景知識を理解しておくとホロスコープを読み違わないですみます。
このページでは、占星術における10天体のうち、「木星」に絞って、
その関連知識から、天体としての意識、ホロスコープでの読み解き方のポイント、
そして、12星座(サイン)と、12ハウスとの関係についてもまとめてご紹介します。
この記事の内容
ホロスコープでの木星の関連事項まとめ
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における木星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 射手座の支配星、魚座の副支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 46歳から55歳 |
公転周期 | 12年 |
象徴 | 発展、拡大、援助、膨張、保護、幸運、寛容、楽天的、繁栄、成功、知識、学問、高等教育、哲学、宗教、肝臓、大学、高等教育、外国、言語、書籍出版、幸運。 |
木星が天体として持つ意味とは?
ホロスコープにおいて、木星が意味していることを理解しようと、
その都度参考書を開いてみたり、サイトを確認したりしてはいないでしょうか?
しかし、占星術における、木星が担う意識の段階を理解しておくと、
柔軟性の高い応用的な解釈ができるようになります。
木星は、他者の肯定を通じた全体的な発展への意識を司る
木星が関わる領域では、物事はその人を媒介にして大きく発展していきます。
それはなぜかというと、木星の意識が全体的な底上げを促し、
結果として大きな発展へと繋がっていくからです。
このように、天体としての木星の意識は、
ある意味「没個性的」な役回りに徹する事で、
全体的な発展を促すという意図を持っているのです。
木星と火星はセットで捉えるべき意識
そして、木星の意味を考える上では、火星との関係は大切です。
それはなぜかというと、10天体の成長の段階として、
月→水星→金星の流れを第一段階とすると、
その第一段階目で個人の内側に向かう意識の発達が促されます。
そして、第二段階目の太陽→火星→木星の流れの中で、
人は個人的な自己の確立をベースに対外的な関係の中で自己を再構築していくフェーズにはいります。
上の図でイメージを掴んでいただけたらと思うのですが、
火星と木星の役割の違いは、まるで噛み合った歯車のように連携しており、
火星で培った「他者否定」の中での個の表出の「高さ」を基盤にして、
木星での他者肯定の中での全体的な発展があるからです。
そのため、火星と木星とでは、意図が対照的でぶつかり合いそうですが、
もし火星が司る意識の発達が不十分であった場合、木星による発展も低次元のレベルで止まります。
結果として、本来なら作られたはずの切磋琢磨し合ってお互いを高め合うような関係ではなく、
低きに流れ、馴れ合って、妥協し合うような関係になってしまうのです。
そのため、木星がもたらす「発展」を考える際には、
火星の意識によってもたらされた、対外関係の中での個人の表出についても、
一緒に抑える必要があります。
ホロスコープでの木星の読み方のポイント
それでは、ホロスコープでの木星は一体どのように読み解いて行けばよいのでしょうか。
ここでは、具体的な読み方ではなく、応用性の高い抽象的な観点からその読み方のポイントをご紹介します。
木星と星座(サイン)・ハウス・アスペクトの関係
まず、ホロスコープにおいて、木星が位置する星座(サイン)とハウスから、
一体どのような分野にて発展がもたらされるのか、そしてその際に自分はどのような行動をとるのかという傾向を見て取ることができます。
イメージとしては、星座(サイン)によって発展は色付けされ、
そしてハウスによってその中での自分の立ち回りを見ることができます。
また、木星とアスペクトを作っている天体からの影響もそこに加え、
他の天体が司る意識が、木星が司る発展に対してどのような関係をもとうとしているのかも見るとよいでしょう。
しかし、「発展」といっても行き過ぎた「発展」となってしまうと、
悪影響として人生に現れてくる場合もありますので、
闇雲にポジティブに捉えることには慎重になる必要があるでしょう。
社会的な活動においては火星・木星・土星のバランスが大切
また、その人の社会における活動をみていくにあたっては、
特に火星・木星・土星の3天体のバランスを見ることが重要になってきます。
イメージとしては、火星によって社会における個としての技量の成長、
木星によって社会における共存的発展能力の成長、
そして土星によって社会的人格としての目標のありかが示されます。
この、「個の技量・共存関係・目標」という3つは、社会の発展の構成要素であり、
これら3つを司る火星・木星・土星の位置付けをホロスコープ上でみていくことで、
その人がどのように社会活動の中に貢献していくのかということを見ることができるのです。
木星と12星座(サイン)との関係
さて、木星が位置する星座(サイン)からの影響を見ることで、
その人がいったいどのような領域で「発展」に関わっていくのかということを見ることができます。
ここでは簡単に牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座の12星座(サイン)と、木星との関係について見ていきます。
星座(サイン) | 木星に及ぼす影響 |
---|---|
牡羊座 | 「新しい事」x「発展」 新しいことにチャレンジする行動力があり、まだ世間的に注目を浴びていないような新規の領域に関わると成功しやすい。 |
牡牛座 | 「物質感覚」x「発展」 金銭面での感覚を始めとする物質感覚に恵まれているほか、趣味や楽しにといった領域でも物事が発展しやすい。 |
双子座 | 「知識面」x「発展」 知識面で広がりがあり、雑学的な知識が豊富になります。 |
蟹座 | 「密な人間関係」x「発展」 平凡質素な生活を好み、家族や身近な人を大切にし、そういった関係から大きな恩恵を得られます。 |
獅子座 | 「自己表現」x「発展」 大げさになりがちですが、自らの恵まれた資質を活かして周りに自分を印象付ける能力が伸びます。 |
乙女座 | 「実務能力」x「発展」 実務能力に恵まれ、細かい作業も楽しめるので色々な仕事に集中して発展をもたらすことができます。 |
天秤座 | 「他者との交流」x「発展」 どのような人とでも交流を楽しむことができ、そうした関係の中から多くのことを学び発展につなげることができます。 |
蠍座 | 「他者への理解」x「発展」 他者への深い理解能力の面で発展があります。 |
射手座 | 「精神性」x「発展」 自由な精神性に恵まれ、抽象的な理解力や精神性が強められます。 |
山羊座 | 「現実感覚」x「発展」 健全な常識感覚と、伝統的な価値観を大切にする傾向にあり、長期的な仕事や物事への取り組みの面で発展します。 |
水瓶座 | 「決まり事からの自由」x「発展」 自分の周りのよくも悪くも境界線を引かないため、他人に対して協力的で親しみやすい一方で、生活面ではルーズになりがちになります。 |
魚座 | 「共感力」x「発展」 他人への共感力に優れていて多くの人に好かれます。 |
木星と12ハウスとの関係
それでは最後に、12ハウスと木星の関係についても同様にまとめておきます。
ハウスは、個人の活動に影響をもたらしますので、
木星とハウスの関係を見る中で、その人がいったい行動面でどのように発展に関わっていくのかということを見ることができます。
ハウス | ハウスが木星に及ぼす影響 |
---|---|
第1ハウス | 「個人の始まり」x「発展」 物事に対してリラックスした態度で望め、チャンスに恵まれる。 |
第2ハウス | 「物質面」x「発展」 思いつきや、活動がお金に結びつきやすい。物質面で恵まれ、芸術的センスも豊か。 |
第3ハウス | 「個の対外表現」x「発展」 多方面にわたり博識になり、そうした豊かな知的能力で成功する。 |
第4ハウス | 「帰属意識」x「発展」 家族や地域をはじめとする、自分の属する場所に恵まれていて、 |
第5ハウス | 「社会への働きかけ」x「発展」 自己の存在の社会の働きかけの中で、自己と社会が調和し発展する。企画や新規事業の提案などに適正がある。 |
第6ハウス | 「社会と自分の関係」x「発展」 社会からの評価を得やすく、昇進の機会に恵まれる。 |
第7ハウス | 「社会的自己」x「発展」 対人関係に恵まれ、社会的な活動に関わるチャンスが豊富。 |
第8ハウス | 「パートナーシップ」x「発展」 一対一の関係を扱う能力に長け、他者からの恩恵を受けやすい。 |
第9ハウス | 「自己への抽象理解」x「発展」 自分を俯瞰して、自己存在を理解しようとする意欲がある。思想・哲学の面で成功する。 |
第10ハウス | 「社会的人格」x「発展」 個性的な役割よりも、社会的な役割の中で成功しやすい。職業的な能力に恵まれやすい。 |
第11ハウス | 「組織交流」x「発展」 個の枠を超えた、組織同士の交流において高い適正がある。 |
第12ハウス | 「精神性」x「発展」 人間としてバランスがよく、精神世界や抽象的な物事を扱う領域で成功しやすい。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、ホロスコープにおける木星の見方について、
柔軟性高く、応用的な解釈ができるようになることを目指して、
背景的な知識をご紹介してきました。
当サイトでは、他にも西洋占星術に関して色々な記事を展開しておりますので、
是非そちらもご覧していってくださいね♪