火星は集団社会における自己主張のあり方を司る。
このページでは、ホロスコープにおける「火星」に焦点を絞って解説をしていきます。
まずはじめに、辞書的な使い方で関連事項を確認したいという方も多いかと思いますので、そうした関連事項をまとめます。
次に、ホロスコープでの火星の意味するところを読み解くために必要な、
背景知識を解説し、
次に、実際のホロスコープ上で火星の意味を読んでいくポイントを紹介します。
そして最後に、火星と12星座・12ハウスとの関係についても、
対応をまとめました。
このページを見れば、西洋占星術における火星の意味について、
概要をつかめるでしょう。
この記事の内容
ホロスコープでの火星の関連事項まとめ
まずはじめに、辞書的に振り返って確認したいというニーズも多いかと思いますので、
西洋占星術における火星についての関連事項を表にまとめておきます。
支配星 | 牡羊座、蠍座の副支配星 |
---|---|
発達年齢域 | 36歳から45歳 |
公転周期 | 2年 |
象徴 | 力・性的なエネルギー・攻撃心・権力・闘争的な力・競争力・外科手術・戦争・武器・刃物・事故・燃焼・怪我・暴力・鉄・切断 |
火星が天体として持つ意味とは?
火星の意味するところを探るために、毎回毎回参考書などを確認してはいませんか?
しかし、これから解説する火星が天体としてもつ大きな意識(テーマ)を押さえておけば、応用的で柔軟な解釈ができるようになるでしょう。
個人的な世界からの脱却と対外的な世界の中での自分のあり方
火星を含む10天体の月から始まる並びを、個人の意識の進化の過程を意味しているととる場合、
月→水星→金星が、個人の内側に働く意識の発達を司っていたのに対して、
太陽→火星→木星の段階では自己を超えた対外的な関係性の中で育まれる意識の発達を司っています。
こうした対外的な意識の発達の中で、火星は自己を主張することを通じて、
自分と社会との関わり方を探っていくという役割を担っています。
イメージとしては、上の図のように、
それまでの個人の内側や個人的な感覚の領域の意識の発達段階から、
火星では外側の世界への個人の主張の中での意識の発達段階と捉えることができます。
火星には他を否定して自己を主張する性質がある
そして、火星の意味するところを探る上においては、
火星の働きが対外関係においてどのように現れるかということも知っておく必要があります。
それは、火星的な自己主張というのは、他者を否定することで、
自分を浮き立たせるような傾向があるということです。
このようにいうと、日本人的な美徳の観点からは自己中心的な人のようにイメージされてしまうかもしれませんが、
仮にこうした火星の働きが弱い場合、
自己主張ができず他者の思い通りにしたがってしまい、
自分らしさというものを活かすことも表明することもできないようになってします。
一方で、こうした火星の影響が強くですぎてしまうと、
喧嘩や戦争、攻撃的な態度、権力の乱用といった形での、
対外的な関係の発展へと繋がるようになってしまいます。
ホロスコープでの火星の読み方のポイント
以上、西洋占星術における火星の意味するところの大枠を見てきましたが、
実際のホロスコープでは一体どのような観点に注目して見ていけばよいのでしょうか。
次に、ホロスコープでの火星の読み方のポイントをご紹介します。
火星は、対外的な関係における行動パターンを示す。
ホロスコープにおいて火星は、その人の対外的な関係における、
姿勢の傾向を示しています。
それは例えば、
行動を起こすにあたっての動機や欲求がいったいどのような分野に基づいてるものなのかという事を示します。
ただし、その行動パターンというのは、他者との関係の中で現れてくるものなので、
意味を読み解いていく際は、個人の内面で完結している欲求ではなく、
社会や他者との関係性の中から生まれてくるモチベーショんであるという事を踏まえておくとよいでしょう。
火星は、異性関係における「男性」を示している。
また、火星は、恋愛関係を見ていく上において重要な天体です。
一般的に、ホロスコープから異性関係を読み解いていく上において、
女性のホロスコープの場合は、火星は恋愛対象の男性を、太陽は結婚相手の男性を、
そして男性のホロスコープの場合は、火星は恋愛するときの自分の姿勢、太陽は結婚するときの自分の姿勢をしめしています。
そのため、恋愛の占いなどをする際は、
火星が一体どこのサイン・ハウスから影響を受けており、
また他の天体とどのようなアスペクトを形成しているかといった事を見ていくきます。
火星と12星座の関係まとめ
さて、以上ここまで占星術において知っておくべき火星の意味の概略をご紹介してきましたが、
次に、火星と12星座(牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座・獅子座・乙女座・天秤座・蠍座・射手座・山羊座・水瓶座・魚座)の関係についてもざっくりとまとめておきます。
火星と12星座の関係というのは、火星が12星座のうちどこに位置しているかで、火星が司る意識の発達にどのような影響が出てくるのかという事です。
ここまで見てきたよに、火星は個人の意志を対外的に打ち出す作用を持っている天体です。
そして、火星は位置している星座(サイン)のテーマに対して没入していったり熱くなるという事を表しています。
星座(サイン) | 火星に及ぼす影響 |
---|---|
牡羊座 | 常になにか新しい課題にチャレンジしていこうとする傾向があり、またその際にも全て自分で決めて主導権を握っていこうとする。 スピード感があり、主導権を握りやすい。 |
牡牛座 | 一度決まったことや、一度こだわったことに対して、誰よりも粘り強い意志力をもち、継続しようとする。 物事に取り組む持久力にすぐれてはいるが、処理速度は遅く、また地味である。 |
双子座 | 熱くなる興味の対象がコロコロと変わる傾向にあり、一つのことに継続して取り組んでいくことは苦手。 対外的な関わりにおいても、移動が多かったり、チームが変わったりと、変化の多い場所でならストレスを感じずに継続的な関係を築いていくことができる。 |
蟹座 | 水の性質をもつ蟹座に、火星があると、自己主張という意味での火星の良さが発揮できず、結果として対外関係としては他者に振り回されやすくなる。 自分のことよりも、他人を優先したり他人の意見に合わせて自分の意見を変えたりする。 |
獅子座 | 対外的な姿勢において、演出的で大げさになりがち。 夢や感動といったことを根拠に、おおざっぱな予想で行動に移りがち。 |
乙女座 | 実務的な仕事への能力が高く、また熱くなってのめりこむ傾向にある。 そして、対外的にはそうした自分の働く能力を認めてもらうことを望む。 一方で、自分の能力が否定されたり脅かされそうな時は、他者の落ち度を指摘したりして立場を保とうとする。 |
天秤座 | 他人と自分との境界線が曖昧で、他者の意見を踏まえて自分の意見も決めていく傾向にある。 自立心は弱く、誰か他の人に熱中する傾向にある。 |
蠍座 | 他人に対して強い影響力をもつことを望み、干渉しようとする。 一方で、自分が他人から干渉されることは拒む。 |
射手座 | 哲学的な信念や信仰に基づいて行動する傾向にある。 オープンな態度で誰とでも自然と共感して打ち解けることができる。 |
山羊座 | 地域やコミュニティ、会社など、自分が属する社会の価値観に忠実に従い、その価値観の中で能力を磨いていく傾向にある。 また、同様の姿勢を他者にも求める。 |
水瓶座 | 他者から管理されることを嫌い、古い習慣などに従うことを拒む傾向にあり、慣習に従う人を軽視する。 自由を求めており、先進的な方法や風潮を積極的に取り入れていこうとする。 |
魚座 | とても感情的な性格であり、自分の内面的な部分や弱い部分を極度に隠そうとする傾向にある。 そうした不安定な内面を安定させるために、逆に周りに対して攻撃的な態度になって自分を守ろうとする場合もある。 |
火星と12ハウスの関係まとめ
上の12星座(サイン)が、個人の性格や心理的傾向に影響を与えるのに対して、
ハウスは個人の具体的な活動傾向への影響を示します。
最後に、12ハウスそれぞれに火星がいた場合の影響について簡単にまとめます。
ハウス | ハウスが火星に及ぼす影響 |
---|---|
第1ハウス | 行動力があり、行動によって自分の意志を主張する。 また、自己顕示欲はつよく、他者に対して攻撃的な態度になりやすい。 |
第2ハウス | 金銭感覚がゆるく、その日稼いだお金はその日中に使おうとするような傾向にある。 しかし、気分と経済収入が対応しており、やる気があることに取り組んでいると経済収入も上がっていく。 |
第3ハウス | 知性の面で衝動性があり、しばしば言い合いになったり言い過ぎたりする傾向にある。 |
第4ハウス | 感情面で落ち着かない傾向にある。 |
第5ハウス | 自分の欲望をダイナミックに演出しながら達成しようとする傾向にある。 |
第6ハウス | 自分の攻撃性や活力をコントロールしようとする傾向にある。 |
第7ハウス | 力関係によって、対人関係を把握しようとする傾向にある。 |
第8ハウス | 対外関係において、他人の感情的な面に深入りしようとする。 |
第9ハウス | 思想や哲学といった領域にのめりこむ傾向にある。 |
第10ハウス | プライドが高く実力主義。仕事人間で実力勝負でキャリアを築いていこうとする。 |
第11ハウス | 実際に能力の高い人と交流しようとする傾向にある。 |
第12ハウス | 自分の中の攻撃性やエゴを抑圧してしまう傾向になる。 |
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、西洋占星術における「火星」に絞って、
その意味の概略からホロスコープでの見方のポイント、そして12星座と12ハウスとの関係について見てきました。
当サイトでは、他の天体についても解説をしておりますので、
是非そちらもご覧くださいね♪