このページでは、タロットカードの大アルカナの12番が付された「吊るされた男」のカードについての解説を行います。
解説の流れとしては、まずはじめに吊るされた男のカードの背景知識を持つために絵札が象徴する事柄についての解説をします。
次に、正位置・逆位置での一般的な解釈方法を解説し、最終結果や対策などスプレッドに割り当てられた意味での解釈例を紹介。
そして最後に、恋愛、相手の気持ちや仕事、未来の予測といった、
占い用途別での解釈の方法についての解説をします。
あくまでも、タロット占いでは質問の内容であったり、並べられた他のカードとの関係性から意味が定まるものではありますが、
そうした応用的な解釈が可能になるためにも、まずはカードに秘められたシンボルの理解と、基本的な解釈方法についての理解が欠かせないでしょう。
なお、当ページでは主に「ウェイト版」のタロットカードの吊るされた男の意味についての解説を行いますが、その他の版のタロットカードについても類似している事柄の方が多いので、いずれにしても役に立てる内容になっています。
タロットカードの吊るされた男とは?
タロットカード大アルカナの12番が付けられたこのカードの名前は「吊るされた男(THE HANGED MAN)」です。
タロットカードの中でも、死神、塔、悪魔に並んでなんだか不吉な印象を持ってしまう方も多いのではないでしょうか。
一体このカードはどのようなことを物語っているのでしょうか。
それではまず初めに、吊るされた男のカードの解釈をするにあたっての背景知識の解説をします。
ウェイト版のタロットカードをお持ちの方は吊るされた男のカードをお手元にご用意して実際に見ながら解説をお読みになると良いでしょう。
もしお手元になくても上の写真を見ながら自分なりにこのカードから一体どのようなことを感じるかを大切にしながら読み進めてみて下さい。
絵札の説明
白でも黒でも無い一面の灰色を背景に、そこには1人の男性が宙吊りになってタウ十字を表すT字の木に括られています。
普通ではとても耐えられないような態勢でそこに無残にも吊らされている彼ですが、
その表情はどこか穏やかで、頭部からは後光がさしており恍惚としているようにも見えます。
一見辛そうに見えますが、彼は抗うことなく重力に身を任せて主体性を放棄することで、世界をこれまでとは全く逆の位置から眺めており、
何かを悟っているのでしょうか。
彼の下半身には赤いタイツが履かれ、4の数字を示しているように見えます。
また彼の上半身には青い衣服が着られ、腕は三角形を表しているように見えます。
赤色は情熱を、青色は高みなるものを象徴しています。また、4の数字は安定した土台を、三角形に象徴される3の数字は三位一体の元での新たな調和の誕生を意味しています。
そして、彼の靴と、彼を木に括っている紐は、頭部で光る後光と同じ黄色に彩られています。
彼はたとえ木に吊るされて辛い目にあっていようとも、その状態をありのままに受け入れ運命の成り行きに身を任せたことで、
熱い情熱を持った確かな土台のもとに、明晰な頭脳で崇高なる新たな気づきを得ているのでしょう。
そのことを象徴するかのように、彼が括られている木からは新しい緑が芽吹いてきています。
このカードが象徴することとは
吊るされた男のカードが象徴しているのは、
主体性を積極的に放棄して流れに身を任し無抵抗を貫く時に初めて見えてくる逆説的な隠された真実の存在でしょう。
その過程においては、文字通り、試される事、試練がもたらされる事をも象徴されていますが、
その過酷さをありのままに受け入れることで、内的な変化と成長がもたらされ、新たな視点を獲得することが示されています。
そのために必要なのは、これまで固執してきたり執着してきたものを試しに手放して違った角度から物事を再考してみるという柔軟性であり、
否定していたものを、試しに敢えて肯定してみるという度量の深さです。
物事を手放す事で逆にコントロールできるということ、
また相手に明け渡す事で逆に獲得することができるという、
宇宙の法則に潜む逆説的な視点を発見することが示されています。
また、吊るされた男に続く大アルカナ13番のカードは「死神」ですが、
まさに死と再生を意味する刷新の時を控えて、吊るされた男が示すところの学びが必要であることが示されているのでしょう。
女帝、力と吊るされた男の関係
吊るされた男同様に、大アルカナ3番の女帝、大アルカナ8番の力のカードも、受け入れること、妥協すること、といった柔軟性がそこには象徴されていますが、
吊るされた男の場合には、主体性の放棄という自己否定を通じた没個性という観点があるという違いがあります。
女帝や力のカードが示していたのは、あくまでも主役は自分であり、自己の内面に向かっていく力出会ったの対して、
吊るされた男ではそうした自分主体の視点ではなく、自分を含む宇宙全体を俯瞰的な視点から見るために、
敢えて自分という個の視点を捨てて、自分を含む包括的な視点へと一段階抽象度の高い視点へと上昇する必要があることが示されているのです。
オススメの記事:
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シンボルの意味
さて、そんな吊るされた男のカードですが、その絵札には注目すべきシンボルの数々が散りばめられています。
これらのシンボルは、吊るされた男の他にもウェイト版のタロットカード全体において一貫して適用されており、
これらのシンボルの象徴する事柄への理解があると、より一層タロットカードへの理解が深まります。
シンボル | 意味 |
---|---|
灰色 | 内省的な状態 |
赤と青 | 火と水とで打ち消しあうような内的葛藤があること。 |
タウ十字 | モーゼがエジプト脱出の時に使った十字。ギリシア語の神THEOSの最初の文字を表したもの。 |
光輪、後光 | 悟りや気づきの象徴 |
芽 | 命あること、新しい誕生の象徴 |
関連事項について
また、タロットカードに関連する背景的な事項と、吊るされた男のカードとの関連についても下記にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
4大元素 | 水 |
惑星 | 海王星 |
十二宮 | 双魚宮 |
十二星座 | 魚座 |
生命の樹 | 第十二の鍵、第二十三の小径 |
鉱物 | アメジスト |
花 | アカシア、スイートピー |
ハーブ | マジョラム |
食品 | 藻類 |
エジプト神 | アピス |
ギリシア守護神 | ヘルマアプロディトス |
曜日 | 火曜日 |
人体 | 消化器系 |
色彩 | 紫 |
ヘブライ文字 | メム |
(そのほか参考になる記事 【一覧】タロットの大アルカナの意味・覚え方とは?)
占いでの意味について
それでは、次に実際のタロット占いの際に、吊るされた男のカードが出てきた際にどのようにその意味を解釈していったら良いのかという点について解説をします。
ただし、その前に念を押しておかなくてはいけないことがあり、
それはタロットカードの意味は定まったものでは決してなく、
カードからどのような事をその時感じるかや、スプレッドの中での他のカードとの関係性などから、非常に流動的に意味を読み取っていく必要があるという事です。
そのため、正位置ではこの意味、逆位置ではこの意味、というような固定的な解釈であったり、このカードには〇〇通りの解釈方法があって今回はこの解釈に当てはまるといった、
逐語的な解釈などは避けるようにしましょう。
それを踏まえた上で、タロットカードの吊るされた男の意味の解釈について、
まずはそのキーワードを意味のまとまりごとに分類して紹介し、
他のカードの関係性について、反対の意味を持つカードと、互いの意味を強める意味を持つカードを紹介。
その後、吊るされた男の意味の解釈例をご紹介していきます。
キーワード
それではまずはじめに、吊るされた男のカードから導き出すことが可能である解釈のキーワードまとめました。
吊るされた男の絵札から読み取ることが可能な大きな意味のまとまりごとにキーワードをまとめました。
どのキーワードにしても、「このカードが象徴することとは」の箇所で説明したような事柄をベースに、
そこから派生的に発生するキーワードが吊るされた男を取り巻く占い的な解釈のキーワードとなります。
【吊るされた男のキーワード】
- 流れに身を任す
- 自我を捨てる
- 固定観念を捨てる
- 社会の求めに従う
- 価値観の変化
- 新しい視点の獲得
- 逆説的な気づき
- 優先順位を変える
- 犠牲になる
- 過酷な試練を受ける
- 自己犠牲
- 目先のことを諦める
- 行動を止める
- 一旦落ち着く
- 反応するのをやめてみる
- 思考の分散を止める
上記のキーワードは、吊るされた男に描かれる人物が、過酷な態勢を強いられていること、彼は動けずその場にいるしかないこと、しかし彼の表情は穏やかで何かを悟っていること、といった事から派生して出てくる意味です。
逆位置のキーワードに関しては後ほど改めて解説を加えますが、
これらのキーワードに関しては、正位置だからといって肯定的な解釈を、逆位置だと否定的な解釈といった当てはめ方では解釈を読み誤ります。
正位置であっても、他のカードとの関係性であったりスプレッドの位置次第で否定的に捉えるべき場合もありますのでその点は注意してキーワードを見るようにしましょう。
反対の意味を持つタロットカード
また、タロットのその他のカードの中で、
この吊るされた男のカードと反対の意味を持つカードは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で反対か |
---|---|
魔術師(大アルカナ1) | 行動する |
戦車(大アルカナ7) | 自己主張 |
ワンドの7 | 挑戦的な態度 |
ワンドの10 | 苦心して行う |
ペンタクルの4 | 支配 |
互いの意味を強めるタロットカード
そして、タロットのその他のカードの中で、
吊るされた男のカードと互いの意味を強めるのは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で互いに強めるか |
---|---|
愚者(大アルカナ0) | あるべき姿への信頼、流れのままに進む |
女教皇(大アルカナ2) | 活動の休止、待つ |
力 | 忍耐、時間をかける |
ソードの4 | 休息 |
ソードの10 | 犠牲、殉教 |
(参考になる記事:【一覧】小アルカナの意味と覚え方とは?)
それでは次に、吊るされた男の意味の一般的な解釈例をご紹介します。
意味① 流れに身を任す
吊るされた男に描かれた人物は、その穏やかな表情から伺えるように、
状況に抵抗することなく受け入れています。
このカードが出された時には、現状を受け入れ流れに身を任せるべきであることが示されているでしょう。
それは川の流れに従って下っていけば努力不要でゴールに到達するにも関わらず、ゴールは川上にあるに違いないという偏見に基づいて一所懸命に川の流れに逆らい登っていこうとしている事に対して、
その努力の方向性が間違っていることが示されているでしょう。
現状を受け入れ、自らの主体性を敢えて放棄し、事の成り行きに身を任せる事が大切であることが示されているのです。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
間違った方向に努力してしまっていることや、事の成り行きを認めることができずに諦め悪く抵抗していることが指摘されているでしょう。
諦めずに努力することももちろん大切ですが、このカードが出された時には、事の成り行き任せて大きな流れに一旦身を預けてみると良いことが示されているのです。
意味② 価値観の逆転
吊るされた男に描かれた人物は、木に逆さ吊りされることで、
これまでとは全く別の視点を手に入れ、結果として何かを悟っています。
このカードが出された時には、価値観が逆転することや、価値観を逆転させるべきであることなどが示されているでしょう。
自分的には常識であると思い込んでいたり、自分の考えこそが絶対に正しい、こっちの方向が絶対に合っている、
という考えが単に自分の思い込みに過ぎないのでは?という事がこのカードでは示されています。
物事の見方を180度変えてみるべきであると告げられているでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
重力に従って頭が下に下がっていくのが道理であるはずなのに上を向いているように、
偏った価値観や過去の執着などに固執してしまっていること、
その結果として柔軟な物の見方を失い観点や視点を変えてみるべきであることが示されているでしょう。
意味③ 自己犠牲
吊るされた男の、木に足を吊るされる姿は自分を犠牲にしている様を想起させることからも、
このカードが出された時には、自己主張や自分の利得は一旦脇に置いて、
他者であったり状況に対して自己犠牲的関わっていくことが示されているでしょう。
必ずしも自己犠牲的な態度が好ましいとは限りませんが、
一度自分というものを捨ててみてはどうですか、と告げているでしょう。
逆位置の場合
一方で逆位置やネガティブな意味である場合には、自己犠牲とは真逆で自己主張が強すぎることなどが示されているでしょう。
周りに合わせるべきであることが告げられているでしょう。
意味④ 行動を止める
吊るされた男はその姿からも分かるように、一切の行動が制限された状態にいます。
彼は、そのように行動が制限されたからこそ、何かを悟ることが出来たのです。
このカードが出されたのであれば、動き回るのではなく、
一旦立ち止まってみるべきだと告げられているでしょう。
忙しく動き回ってばかりだと気づけなかった事が、
敢えて足を止めてみる事で気づく事ができるでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味であるならば、
立ち止まるべき時に、立ち止まらずに状況に抗っている様が指摘されているでよう。
やたらめったら動き回るだけでは、地に足のつかない空回りな努力にとどまってしまうという事が告げられています。
意味⑤ 真理の発見
吊るされた男は、隠された真理を発見せよ、と告げています。
それは動きを止めることによって初めて得られる気づきかもしれませんし、
物事を180度別の角度から眺めてみる事で初めて得られる気づきかもしれません。
いずれにせよ、今の状態ではその気づきは得られないので、
一旦流れに身を任せてみると良いでしょう。
逆位置の場合
逆位置であったりネガティブな意味として捉えるならば、
真理の発見からは逆行していることが示されているでしょう。
自分が求める真理はそちらにはなく、全く逆にあることが示されているかもしれません。
吊るされた男の逆位置について
さて、すでに吊るされた男の逆位置については、その一般的な解釈のところにて部分的に解説をしてきました。
次に改めて、吊るされた男のカードが逆位置で出た場合に、一体どのように解釈をしていけば良いのかという点について解説を加えます。
一般的に、逆位置というのは、カードの意味する本質の部分が過剰している状態、不足している状態、正反対の状態を示しています。
そのため吊るされた男のカードが逆位置であったり、ネガティブな位置関係で出た時には、
キーワードとしては以下のものが当てはまる可能性があるでしょう。
【吊るされた男の逆位置のキーワード】
- 大きな流れに抗う
- 状況を認めない
- 過去に執着している
- どっちつかずの状態
- 信念が無い
- 優柔不断
- 中途半端
- 柔軟性の欠如
- 観点や視点が誤っている
- 的外れの努力
- 自分の考えへの固執
などです。
これらの逆位置でのキーワードは、吊るされた男が逆位置の時に、重力という法則に逆らって頭を上に上げているという状態から連想されるでしょう。
また、その状態は、立っているのか、それともこれから下に落ちていくのか、それともそこに浮いているのか、
一体どのような状態にいるのかが不明であり、どっちつかずの不明瞭な状態であることも示されているでしょう。
逆位置の吊るされた男は、従うべき大きな法則に抗ってしまっていることが象徴されているでしょう。
スプレッドでの意味の解釈方法
それでは次に、実際にスプレッドに吊るされた男のカードが出た時の意味の解釈方法について、
スプレッドに割り当てられた役割に応じて、
吊るされた男のカードがどのような意味を示しているのかという事について解説をします。
状況
状況を意味する場所に吊るされた男が出されたのであれば、
それは現在、非常に苦しい状態にいるということが示されているでしょう。
身動きがとれず、主体性がとれないような状態でしょう。
しかし、カードが示しているのは、そういった状態だからこそ見えてくる視点を獲得せよと伝えています。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味であると捉えるならば、
事態の流れに身をまかせるべきところで、悪あがきのような抵抗を見せていることが、
かえって状況を悪化させることであったり、得られたはずの新しい視点を得られないでいることなどが指摘されているでしょう。
相手の気持ち
相手の気持ちを意味する箇所に吊るされた男が出されたのであれば、
なにか足枷となって身動きが取れないような気持ちになっているかもしれません。
もしくはあなたとは全く別の視点で物事を眺め考えているであろうことが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
過去のことなどに執着していたり、特定の偏った考え方に固執していて離れられないでいる内面状態が示されているでしょう。
原因・理由
良い出来事の理由として吊るされた男が出されたのであれば、
それは過去において流れに身を任せ、無抵抗だからこそ得られた視点を手に入れたことが、
今の良い状況へと繋がっていることが示されているでしょう。
過去のそうした態度が、巡り巡って精神的な成長をもたらしたのでしょう。
逆位置の場合
逆位置など、ネガティブな出来事の原因として捉えるならば、
それは過去において従うべき大きな流れに抗い、状況を悪化させていたり学ぶべきことを学び損ねたであろうことなどが示されているでしょう。
現時点でもそうした主体性を放棄し損ね執着を残した状態であることが指摘されているでしょう。
最終結果
最終結果として吊るされた男が出されたのであれば、
それは一旦動くことをやめ、物事の自然な展開に身をあずけてみてはどうかと告げられているでしょう。
自分本位である態度を捨て、苦しみを敢えて受けるような結果が出ているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合などには、最終結果としては自分の考え方などが自分本位の偏ったものであることが示されているでしょう。
対策
対策を示す位置に吊るされた男が出されたのであれば、
物事の解決に向けて、自分の価値観や考え方のままに推し進めるのではなく、
求められていることを採用したり、物事のあり方などの法則に照らし合わせて、
考えてみることが吉であることが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合にも、対策として吊るされた男が出されたのであれば、
現在の自分の状況が好ましい状態ではないことが示されており、
吊るされた男の正位置が示すような流れに身を任すような選択をするべきであることが示されているでしょう。
恋愛について
タロット占いと恋愛の動向とはよくセットで取り上げられるテーマです。
それでは次に、恋愛という文脈で、
出会い、片思い、復縁、交際中、結婚
という5つのテーマごとに、正位置・逆位置での力のカードの解釈例についてご紹介していきます。
いずれも、吊るされた男のカードが象徴する事柄をベースに、
そこから連想的にイメージできる内容が占いでの解釈となりますので、
一体吊るされた男のカードのどういった部分がこのような解釈につながっているのかという点に着目しながら読み進めるとタロットリーディングの能力向上にも繋がるでしょう。
出会い
出会いに関しては、動きを止められるような問題や事態が発生して、それどころではないことになりそうです。
そもそも出会いを求める心というのが、自分の中にある固定観念に根ざした執着心から来ていることが示されているかもしれません。
今は出会いを求めるよりもするべきことがあることに気づく必要がありそうです。
逆位置の場合
逆位置である場合には、正位置で警告されていたような状態、
すなわち本来取り組むべきことからは目を背けて、出会いを求めるような態度を改めるようにと指摘されているかもしれません。
物事の大きな流れに身を任せた場合、今自分は何をするべきなのかを自問してみると良いでしょう。
片思い
片思いに関しては、
相手に対する恋の想いは抱きつつも、ひたすらに耐え忍ぶ様子が示されているでしょう。
今はむやみに動くべきではないでしょう。
何か別の得るべき視点がそこにはないか見回してみましょう。
逆位置の場合
一方で逆位置であるならば、二人の恋路には厚い壁があり、
大きな流れとは背いたような関係であることが示されているでしょう。
恋愛に関する視点を変えてみるべきでしょう。
復縁
復縁に関しては、復縁したいという気持ちの執着心を捨て去るべきであることが示されているでしょう。
時は進むものであり、それは法則です。
過去に執着して時の流れに抗うのではなく、時の流れにしたがって、
復縁とは別のものを見よと示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合には、そうした復縁に対する執着の気持ちが悪い方向に出てしまっていることが示されているでしょう。
正位置同様に、本来あるべき前向きの姿勢を取り戻すべきであることが示されているでしょう。
交際中
交際中の相手に対して吊るされた男が出されたのであれば、
今までの関係を一度振り返って、また別の視点から見つめ直してみる必要性が示されているでしょう。
年齢的に結婚を考える時期かもしれませんし、
仕事の都合や価値観の違いなど、
このまま恋愛関係を進めるのを一旦止まってみる必要を暗示されています。
逆位置の場合
二人の間には根本的な人生観の違いや、背負っているものの違いから交際が難しくなっていることが示されているかもしれません。
今は交際からは離れることが自然な流れであることが示されているかもしれません。
結婚
結婚に関して、吊るされた男が出されたのであれば、
それは結婚をするにあたっては、
一度立ち止まって考え直し、捨てたり手放さなければならないことがあるであろうことが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合には、
もしも結婚するとなると、今のライフスタイルを手放さなくてはならないことが示されているでしょう。
そのことに気づいていない可能性もあり、結婚後について具体的にイメージしてみる必要がありそうです。
仕事や未来について
さて、上では恋愛の占いについての解釈例をご紹介しましたが、
それでは最後に、仕事や未来についての占いにおいて、吊るされた男のカードが意味することの例をご紹介します。
仕事について
仕事に関しては、身動きがとれていない状態や、こちらを立てればあちらが立たずのジレンマの状態にいることなどが示されているでしょう。
吊るされた男のように、試練の時にいることが示されています。
そうした状態に対して、このカードは、試練を試練としてありのままに受け入れ、忍耐と我慢の精神でその状態に身を任せとにかく取り組んでみることを示しています。
その我慢の過程で、価値観の変容が訪れることが示されており、
そこで得られた学びが今後の人生の成り行きに大きく関わってくることでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
そうした困難な状態にいるにも関わらず、困難を困難なこととしてありのままに受け入れるのではなく、
現実逃避をしていたり言い訳逃れをしようとしている事が指摘されているでしょう。
そうした行為は、本来の流れに歯向かうようなもので、無駄であり状況を悪化させるだけであることが示されています。
与えられた試練を受け入れ、愚直に取り組む必要性が示されているでしょう。
未来について
未来について吊るされた男が出されたのであれば、
未来の出来事として、試練が訪れ価値観がガラッと変わるような体験がもたらされるであろうことが予告されているでしょう。
もしくは、まさに今そのような過酷な状況下にいるのであれば、
その過酷な状況は、自分の魂の学びのための必然的な流れの一貫であって、
目を背けるのではなく敢えて受け入れることで新たな視点、それもこれまでの価値観をひっくり返すような気づきが得られることが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置であったりネガティブな意味として捉えるならば、
そうした魂の成長に必要な試練を前にして、抗い固執している姿が指摘されているでしょう。
正位置が示すような、状況を受け入れ、積極的な主体性の放棄を通じて、世界を個を超えた視点から眺めて、
その試練の意味を見出すようにしましょう。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、タロットカードの大アルカナ12番の「吊るされた男」のカードについて、
その絵札の解説からシンボルの意味、
また占いでの吊るされた男の一般的な解釈方法から、スプレッドや恋愛・仕事などの占い別での解釈例について、
幅広く解説をしてきました。
占いでの解釈例についても、様々なものを取り上げましたが、
その解釈の根拠としてはこのカードが象徴する一連の物語の側面にあることに注目し、
占いの内容や他のカードとの関係性などから、より応用性・柔軟性のある解釈ができるようになりましょう。
当サイトでは他にも大アルカナ・小アルカナについての理解が深まるような記事やそのほかのアルカナについての解説もしておりますので、
タロットカードにご興味のある方は是非そちらもご参考くださいね。
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