このページでは、タロットカードの大アルカナの11番が付された「正義」のカードについての解説を行います。
解説の流れとしては、まずはじめに正義のカードの背景知識を持つために絵札が象徴する事柄についての解説をします。
次に、正位置・逆位置での一般的な解釈方法を解説し、最終結果や対策などスプレッドに割り当てられた意味での解釈例を紹介。
そして最後に、恋愛、相手の気持ちや仕事、未来の予測といった、
占い用途別での解釈の方法についての解説をします。
あくまでも、タロット占いでは質問の内容であったり、並べられた他のカードとの関係性から意味が定まるものではありますが、
そうした応用的な解釈が可能になるためにも、まずはカードに秘められたシンボルの理解と、基本的な解釈方法についての理解が欠かせないでしょう。
なお、当ページでは主に「ウェイト版」のタロットカードの正義の意味についての解説を行いますが、その他の版のタロットカードについても類似している事柄の方が多いので、いずれにしても役に立てる内容になっています。
タロットカードの正義とは?
タロットカードの大アルカナで「11」の数字がつけられたこのカードの名前は「正義(JUSTICE)」です。
「正義とは何か」という話は永遠の議題であって、
正解の無い議題について延々と考え続けるようなものでしょう。
一体このカードはどのようなことを物語っているのでしょうか。
それではまず初めに、正義のカードの解釈をするにあたっての背景知識の解説をします。
ウェイト版のタロットカードをお持ちの方は正義のカードをお手元にご用意して実際に見ながら解説をお読みになると良いでしょう。
もしお手元になくても上の写真を見ながら自分なりにこのカードから一体どのようなことを感じるかを大切にしながら読み進めてみて下さい。
絵札の説明
中央に石造りの台座に厳格な態度で座りこちらをじっと見つめているのは裁きの女神の姿です。
背景一面は黄色の光が見えますが、それを覆い隠すように石造りの2本の柱とその間の赤いヴェールが描かれています。
台座に座るは裁きの女神であり女性として描かれますが、男性にも見えなくはなく中性的な存在であることが伺えます。
そんな彼女は右手に青色に染まる剣をまっすぐ天へと向け、
左手には天秤をもっています。
左上から右下への構図は大アルカナ1番の「魔術師」を彷彿とさせるものですが、
正義のカードでは天からの崇高で明瞭な啓示を剣で受け取り、天秤で公明正大な形へと変換させる様が描かれているのでしょう。
彼女は四角形の石がはめ込まれた冠を被っており、その冠は3つの突起のデザインを持っています。
彼女は、世界を構成する4大元素をコントロールする安定性を持ち、対立原理から新たなる調和の因子を生み出す三位一体の精神をその頭脳に秘めているのでしょう。
衣服からはみ出た足から、彼女は高い霊性を象徴する純粋無垢な白色の衣服を着ているであろうことが想像できますが、
全身を隠すように赤と緑のローブを身にまとっています。
彼女は、この物質的・俗的な現実世界に生身の人間として生きており、
社会を貫く法の原則にのっとって、情状酌量の余地なく明快な思考と判断によって公正明大な結果、すなわち正義をもたらす裁きの女神なのです。
このカードが象徴する事とは
このカードに描かれるのは、理知的であり思考・判断力に優れ、厳格な精神のもとに公正明大な秩序をもたらす精神的美徳の擬人像です。
ここで象徴されているのは、個人の範疇を超えて社会全体を貫く共通の価値観やルールの存在です。
このカードの意味を正しく汲み取るためには「没個性的」な視点であり、
個人の主観や感情という要素は一切排除した上で初めて機能する、
全体を構成する要素同士の間に均衡と秩序をもたらす機械的な法則の存在が暗に示されています。
それを、人間社会に当てはめた時、このカードが示すのは、
裁判で人を裁く際の論拠となる法の体系のように、誰にでも平等に適用されるルールの存在であったり、
暗黙の了解として社会の根底に流れる道徳基準の存在です。
道徳や倫理というものは、明文化されていなくても例えば「人を殺してはいけない。」「嘘をついてはいけない。」「盗みをしてはいけない。」など、
一定の範囲内で適用される目には見えない影響力のある力です。
また、重い罪にはそれ相応の重い刑罰を、大変な苦労にはそれ相応の報酬が与えられないと平等では無いと感じてしまうのもやはり、
無意識にもそうした公平・平等という状態を保とうとする力が働いている証拠でしょう。
正義のカードが象徴しているのは、このような個人がどうこう言う範囲を超えて、あらゆる人々の間で暗黙の了解のうちに適用されている平等さをもたらす機械的な法則のことです。
そこから派生して、法律体系に関連した事柄や、
物事の正当性について白黒つける行為、公正明大である状態を良しとする思考などを指し示すカードになっています。
正義と女教皇・法王との関係
背景に2本の柱が描かれる構図は、正義以外にも大アルカナ2の女教皇と、大アルカナ5の法王とでも見ることができます。
これらはいずれも、対立2つの原理の存在を表しており、
またそれら2つの原理の統一をも示しています。
これら3つのカードの関係性でいうと、
女教皇に与えられた叡智の啓示が、法王によって人間の言葉でも分かるように翻訳され、
そこで教えられたことが判断の基準となって、正義のカードによって現実的・俗世的な問題に当てはめられていくという流れです。
法王も正義と同じく、判断を下す役割と持ちますが、法王のそれが秩序に基づき和を重んじているのに対して、
正義のそれは、情の訴えは一切通用せず、冷酷なまでに淡々と判断が下されるという違いがあります。
オススメ記事:
【タロット】女教皇の意味とは?
【タロット 】法王の意味とは?
シンボルの意味
さて、そんな正義のカードですが、その絵札には注目すべきシンボルの数々が散りばめられています。
これらのシンボルは、正義の他にもウェイト版のタロットカード全体において一貫して適用されており、
これらのシンボルの象徴する事柄への理解があると、より一層タロットカードへの理解が深まります。
シンボル | 意味 |
---|---|
正義 | 節制・賢明・力と並び西洋における4つの枢要徳のひとつに数えられるもの |
2つの門柱 | 2つの対立原理の存在を象徴 |
灰色 | 世俗的・物質的な事柄を扱っている事の象徴 |
剣 | 文明・理知・言葉や学業を象徴。冷酷なまでに機械的に判断は下されることを暗示している。 |
天秤 | 平等・均衡・公平さの象徴。絶対的な法則によって量られることを暗示している。 |
青 | 神性、霊性といった崇高な領域を象徴する色 |
四角形 | 数字の4。物事の安定。絵札では冠に埋め込まれた四角形のもの。 |
3 | 三位一体の象徴。絵札では冠に相当。 |
関連事項について
また、タロットカードに関連する背景的な事項と、正義のカードとの関連についても下記にまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
4大元素 | 風 |
惑星 | 金星 |
十二宮 | 天秤宮 |
十二星座 | 天秤座 |
生命の樹 | 第十一の鍵、第二十二の小径 |
鉱物 | モルガナイト |
花 | ワレモコウ、アルケミラ・モリス |
ハーブ | ミント |
食品 | 麦などの穀物 |
エジプト神 | マアト |
ギリシア守護神 | テミス(ローマ神話の女神ユスティティア) |
曜日 | 金曜日 |
人体 | 呼吸器官、肺、気管、横隔膜 |
色彩 | 緑 |
ヘブライ文字 | ラーメド |
(そのほか参考になる記事 【一覧】タロットの大アルカナの意味・覚え方とは?)
占いでの意味について
それでは、次に実際のタロット占いの際に、正義のカードが出てきた際にどのようにその意味を解釈していったら良いのかという点について解説をします。
ただし、その前に念を押しておかなくてはいけないことがあり、
それはタロットカードの意味は定まったものでは決してなく、
カードからどのような事をその時感じるかや、スプレッドの中での他のカードとの関係性などから、非常に流動的に意味を読み取っていく必要があるという事です。
そのため、正位置ではこの意味、逆位置ではこの意味、というような固定的な解釈であったり、このカードには〇〇通りの解釈方法があって今回はこの解釈に当てはまるといった、
逐語的な解釈などは避けるようにしましょう。
それを踏まえた上で、タロットカードの正義の意味の解釈について、
まずはそのキーワードをポジティブ・ネガティブの軸に沿って紹介し、
他のカードの関係性について、反対の意味を持つカードと、互いの意味を強める意味を持つカードを紹介。
その後、正義の意味の解釈例をご紹介していきます。
キーワード
それではまずはじめに、正義のカードから導き出すことが可能である解釈のキーワードを、上から下にかけて、肯定的な意味から否定的な意味へと一覧に並べて見ました。
一番上が、正義のカードをもっとも肯定的に捉えた時の意味での解釈であり、そこから徐々に肯定でも否定でもない中間的な解釈、そして一番下にかけて否定的な面が強く出た場合の解釈となっています。
どのキーワードにしても、「このカードが象徴することとは」の箇所で説明したような事柄をベースに、
そこから派生的に発生するキーワードが正義を取り巻く占い的な解釈のキーワードとなります。
【正義のキーワード】
- 公正明大
- 平等であること
- 道徳、倫理基準
- 法律体系
- 社会のルール
- 責任を果たす(受け入れる)
- 当然の成り行き
- どっちつかず
- 私情を挟む
- ルールからの逸脱
- 不正を行う
- 不平等
- 偏見
- 正当性が無い
正義のカードが象徴するところの全体イメージとして、
まず個人を超えたところで強制的に適用される普遍的な法則の存在が指摘されていることがあり、
そこからその法則のあり方や、法則に気づくこと、学ぶこと、またそうした法則が出来上がっていくプロセスがあり、そこに焦点が当てられた時に派生的に出てくるキーワードです。
これらのキーワードに関しては、正位置だと肯定的な解釈を、逆位置だと否定的な解釈といった当てはめ方では解釈を読み誤ります。
逆位置でも、他のカードとの関係性であったりスプレッドの位置次第で肯定的に捉えるべき場合もありますのでその点は注意してキーワードを見るようにしましょう。
反対の意味を持つタロットカード
また、タロットのその他のカードの中で、
正義のカードと反対の意味を持つカードは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で反対か |
---|---|
ソードの2 | 真実から目をそらす |
ソードの5 | 誠実さの欠如 |
ソードの7 | 責任の回避 |
互いの意味を強めるタロットカード
そして、タロットのその他のカードの中で、
正義のカードと互いの意味を強めるのは以下の通りです。
カード名 | どういう意味で互いに強めるか |
---|---|
皇帝(大アルカ4) | 規制、法の発令 |
審判(大アルカナ20) | 決定、過去の行為を受け入れる |
ワンドの10 | 責任を引き受ける |
ソードの9 | 失敗を認める |
(参考になる記事:【一覧】小アルカナの意味と覚え方とは?)
それでは次に、正義の意味の一般的な解釈例をご紹介します。
意味① 公平な判断を下す
裁きの女神は、どのような事柄に対しても明文化されたルールにのっとりはっきりと白黒をつけます。
それは彼女の中に正義とはなにか、また正義とそうでないのを分ける基準は何かという線引きがされているからです。
このカードが出された時には、事態や心理に対して内なる正義を見出し決断を下せ、という事が示されています。
もちろん、人間社会の正義とはありとあらゆる全体性の中で見た時には相対的なもの過ぎませんが、特定の範囲内に限っては絶対的なルールとして存在しており、
そうした自分が属する社会や領域での一般了解、道徳基準に照らして判断を下すようにと暗示されているでしょう。
ただし「正義とは何か」という哲学的な議論を自分の中で始めてしまうと、
結論がどっちづかずになってしまうでしょう。
今この問題や状況に対して公明正大な選択肢は一体なになのかという観点を持つようにと促されています。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
まさに正義がひっくり返った状態、つまり不平等、不正、自分勝手という状態が指摘されているでしょう。
もしくは、正義の物差しが機能せず、どっちつかずの状態になっている可能性もあるでしょう。
意味② 法則を知る
正義のカードが示しているのは、個を超えたところで貫かれている「正義」に従えという暗示ですが、
そもそも「正義」とは何かを知らなければいけません。
このカードが出された時には、まさに「正義」とは何かを見出す必要性が説かれています。
それは自分自身を超えたところで、社会全体に一般常識として浸透している価値観や道徳基準のことかもしれませんし、
原因と結果の法則、因果応報、カルマの存在など、
もっと普遍的に貫かれている世界の仕組み、宇宙の法則を知り、受け入れる事が示されているかもしれません。
逆位置の場合
逆位置であったりネガティブな意味として捉えるならば、
それは万物を貫く普遍的な法則を見て見ぬ振りをしている状態、
もしくはそうしたルールの存在を無視して自ら魂の成長を阻害している状態などが指摘されているでしょう。
意味③ バランスが取れている事
裁きの女神の目的は、万人に共通する普遍的ルールでもって判断を下していく事で、
社会全体に均衡をもたらすためです。
このカードが出された時には、
状況や事態として釣り合いが保たれていることが示されているでしょう。
ただしその釣り合いとは、構成員それぞれが感情的に納得しているような「和」の状態ではなく、
納得の有無に関わらず、強制的な基準によってもたらされている均衡であることは知っておかなくてはいけません。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
それはまさに均衡がとられていない状態が指摘されているでしょう。
原因は明確であり、どこかで不正やずる、裏切りといった正義に反する事が行われていることが示されています。
それは事態に対しての指摘のこともあれば、個人の行動や態度に対しての指摘である場合もあるでしょう。
意味④ 責任を受け入れる
俗世界に属している限り、裁きの女神である彼女の正義の判断は絶対です。
それに逆らうとうことは不可能なのです。
このカードが出た時には、世の中の正義の基準にもたらされた責任を受け入れ任務を果たすようにと示されています。
諦めて従うように捉えることもできるでしょうが、
そうした個人的な感情を押さえ込んで、没個性となることで初めて見えてくる気づきというものもあることをこのカードは教えているのでしょう。
自分は個人として独立しているけれども、個人を含むもっと大きな領域に含有されている構成因子でもあるという認識を持つことの大切さが説かれています。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
社会の一般常識からは外れてしまっている状態、ルールを破っている状態、
またそうした逸脱によって下される罰を受け入れていない状態などが指摘されているでしょう。
正義の逆位置について
さて、すでに正義の逆位置については、逆位置だからといって、ネガティブな意味を短絡的に当てはめるべきではないことについては触れました。
その上で、正義のカードが逆位置で出た場合など、正位置の意味とは逆であったり、
反対の応用的な解釈が必要な場合のポイントについても解説をしておきます。
一般的に、逆位置というのは、カードの意味する本質の部分が過剰している状態、不足している状態、正反対の状態を示しています。
そのため正義のカードは逆位置であったり、ネガティブな位置関係で出た時には、
キーワードとしては以下のものが当てはまる可能性があるでしょう。
不公平、不平等、逸脱、ルール違反、無責任、立場の放棄、不釣り合い、正当性がない、いい加減、優柔不断、決断しない
などです。
正義の逆位置が示しているのは、
自分の中の正義の物差しが、自分を超えた領域で一般的に適用されている正義の物差しとはずれてしまっていること、
もしくは、世間で適用される価値観や倫理基準に自ら背き、責任を放棄している様子などが示されているでしょう。
大アルカナのその他のカードでは、そうした社会一般の通念に縛られない有様を良しとするカードもありますが、
正義のカードでは、むしろそうした没個性の観点から社会を眺めることの学びが指摘されているのであって、
逆位置であるならば、そうした学びが得られていない事が示されているでしょう。
スプレッドでの意味の解釈方法
それでは次に、実際にスプレッドに正義のカードが出た時の意味の解釈方法について、
スプレッドに割り当てられた役割に応じて、
正義のカードがどのような意味を示しているのかという事について解説をします。
状況・状態
正義のカードが状況や状態を示す位置に出されたのであれば、
それは状況としては釣り合いがとれており、安定している事が示されているでしょう。
人々が然るべき役割を担い、社会の中で構成要員としての責任や法務を果たしていることが示されているでしょう。
逆位置の場合
一方で逆位置やネガティブな位置関係であるならば、
それは均衡にほころびが出ているという事が示されているでしょう。
正義のカードに示される均衡とは、あくまでも私情を解さないドライなものであるため、
そうした均衡が崩れてきているという事は、状況として個の主張が目立ってきていること、そのことが調和を乱していることが示されているでしょう。
相手の気持ち
相手の気持ちとして、正義のカードが出されたのであれば、
それは相手の気持ちとしては客観的に釣り合いがとれている状態として現状を認識しているという事が示されているでしょう。
自分の内なる価値基準に照らし合わせた時に、
気持ちとしては抵抗がなく、当然である状態と思っているでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
相手の気持ちとしては、不公平、釣り合いがとれていない、
という道理にそぐわない不満の感情が読み取れるでしょう。
直感や個人的な感想というよりは、
社会一般常識に照らした時に、現状が不公正であることに不満を感じているでしょう。
原因・理由
正義のカードが良い出来事の理由として示されているならば、
それは過去の状態としてルールに基づいて正しく物事が進んでいたことが示されているでしょう。
そこには世間一般で言うところの正義が貫かれた状態が維持されていたことでしょう。
逆位置の場合
一方で、ネガティブな出来事の原因として捉えるならば、
過去において、正義がなされていなかったことが指摘されているでしょう。
それは、ルールから逸脱したことや、もしくは逸脱に対する罰を責任をもって受け入れなかったことなどが示されているでしょう。
最終結果
最終結果として正義のカードが示されるならば、
それは平等がもたらされるであろうこと、正義に基づいた秩序ある状態がもたらされるであろうことが示されるでしょう。
物事の善悪は白黒とはっきりつけられるでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな最終結果であると捉えるならば、
それは情状酌量の余地なく、強制的に下される避けようのない裁きが訪れることが示されているでしょう。
主観的には自分が正しい、自分は悪くないと思っていても、
自分を社会を構成する1人の構成員にすぎないという観点から見ると、
正義の基準を満たせていなかったことが示されているでしょう。
対策
対策として正義のカードが出されたのであれば、
それは、私情を解さず、厳格な軽量と裁決を行うべきであることが示されています。
個人的な見解は一旦脇に置いておき、世間一般的にはどうなのか、
常識的に考えたらどうなのか、
という観点から最終的な決断を下すと良いことが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合には、正義が果たされていないから、もっとしっかり法規に従えという暗示かもしれませんが、
「『正義』をひっくり返せ」というメッセージとも捉えることも出来るでしょう。
一般常識や道徳基準というのは、気づかないうちに潜在意識にする込まれた通念に過ぎず、
それを絶対的に正しい正義だと認識しているのは、ただただそれを正しいことだと認識しているだけであり、それ以上でもそれ以下でも無いとも捉えられるでしょう。
そうしたルールから逸脱することで逆に見えてくることもあるかもしれません。
恋愛について
タロット占いと恋愛の動向とはよくセットで取り上げられるテーマです。
それでは次に、恋愛という文脈で、
出会い、片思い、復縁、交際中、結婚
という5つのテーマごとに、正位置・逆位置での力のカードの解釈例についてご紹介していきます。
いずれも、正義のカードが象徴する事柄をベースに、
そこから連想的にイメージできる内容が占いでの解釈となりますので、
一体正義のカードのどういった部分がこのような解釈につながっているのかという点に着目しながら読み進めるとタロットリーディングの能力向上にも繋がるでしょう。
出会い
出会いに関しては、出会った人を恋愛対象として査定するような態度が示されていると捉えることが出来るでしょう。
出会いが品定めのお買い物のようになっていることが示されているかもしれません。
一方で、出会い運としては自分と条件的に釣り合いの取れた相手が見つかることが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、条件的に釣り合っていないような相手ばかりと出会うことや、
出会った相手が社会のルールから逸脱しているであろうことが示されているでしょう。
片思い
片思いの相手が、自分と立場や条件的なことが一致していることが示されているでしょう。
ただし、それは男女を意識した感情的なものではなく、
客観的に測定できるようなものでの釣り合いが刺されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置である場合には、片思いしているけれども、
立場上の問題など、恋愛関係に発展するには道理に合わないような状況が示されているでしょう。
二人の間には決定的なギャップがあるのかもしれません。
復縁
復縁に関して正義のカードが出るならば、
自分が復縁に対してどのような認識をしているかが重要になるでしょう。
何れにしても、その復縁をしたいという事に対して、
自分の中の正義の天秤で判断を下す必要性が示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
復縁したいという欲求が、道理にあっていないという事が指摘されているかもしれません。
交際中
交際中を示すカードとして出されたのであれば、
パートナシップとしては釣り合いのとれた状態であることが示されているでしょう。
役割分担がしっかりされていることや、立場的な釣り合いなども示されているでしょう。
ただし、それで愛が深まることが示されているわけではないことには注意しましょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
それぞれの価値観や正義を貫けないことから、
修復不可能な溝が生まれてしまうかもしれません。
まさに、天秤の測りが均衡状態の緊張から解き放たれ、
バランスが崩された状態が示されているでしょう。
結婚
結婚に関して正義のカードが出た場合には、
政略結婚やお見合いなど、条件面での結婚の判断が吉と出ることが出されているでしょう。
感情的な盛り上がりを経ての結婚よりも、条件的な釣り合いや安定を重視した結婚が好ましいことが示されているでしょう。
逆位置の場合
一方で、逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
縁談が不成立してしまうことや、現在の交際相手が結婚相手としては条件的に合っていないことが示されているでしょう。
仕事や未来について
さて、上では恋愛の占いについての解釈例をご紹介しましたが、
それでは最後に、仕事や未来についての占いにおいて、正義のカードが意味することの例をご紹介します。
仕事について
仕事について、正義のカードが出されたのであれば、
それは会社の組織としては法規に基づいた秩序がとれており順当であることや、中立的な立場で正しく仕事が進んでいることなどが示されているでしょう。
転職の検討についても、転職するか否か、どこに転職するべきかなどは、
条件面など明確に判断ができる要素を重視するべきであるとも示されているでしょう。
また、仕事と趣味が両立できているという事も示されることがあります。
逆位置の場合
一方で逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
仕事において、会社という組織で自分の立場や責任を全うできていない状態などが指摘されているかもしれません。
もしくは仕事に関連して、ルールに逸脱した行為が行われていることや、
避けることのできない罰がもたらされるであろうことも暗示されているでしょう。
未来について
未来について正義のカードが出たのであれば、
平等な状態がもたらされることが示されているでしょう。
個の尊重という観点よりは、社会全体の観点から、
調和がされていること、
もしくはそのための厳格な判断が下されるであろうことが示されているでしょう。
逆位置の場合
逆位置やネガティブな意味として捉えるならば、
社会を安定させていたルールが乱れてきていることなど、
正義の裁きが下されていない未来が指摘されているでしょう。
まとめ
以上いかがでしたでしょうか。
このページでは、タロットカードの大アルカナ11番の「正義」のカードについて、
その絵札の解説からシンボルの意味、
また占いでの正義の一般的な解釈方法から、スプレッドや恋愛・仕事などの占い別での解釈例について、
幅広く解説をしてきました。
占いでの解釈例についても、様々なものを取り上げましたが、
その解釈の根拠としてはこのカードが象徴する一連の物語の側面にあることに注目し、
占いの内容や他のカードとの関係性などから、より応用性・柔軟性のある解釈ができるようになりましょう。
当サイトでは他にも大アルカナ・小アルカナについての理解が深まるような記事やそのほかのアルカナについての解説もしておりますので、
タロットカードにご興味のある方は是非そちらもご参考くださいね。
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