【タロット】魔術師の意味の解説!逆位置や恋愛、気持ちの見方とは?

タロットカード魔術師の意味

このページでは、タロットカードの大アルカナの1番が付された「魔術師(マジシャン)」のカードについての解説を行います。

解説の流れとしては、まずはじめに魔術師のカードの背景知識を持つために絵札が象徴する事柄についての解説をします。

次に、正位置・逆位置での一般的な解釈方法を解説。

そして最後に、恋愛(相手の気持ち)や仕事、未来の予測といった、
占い用途別での解釈の方法についての解説をしました。

あくまでも、タロット占いでは質問の内容であったり、並べられた他のカードとの関係性から意味が定まるものではありますが、

そうした応用的な解釈が可能になるためにも、まずはカードに秘められたシンボルの理解と、基本的な解釈方法についての理解が欠かせないでしょう。

なお、当ページでは主に「ウェイト版」のタロットカードの魔術師の意味についての解説を行いますが、その他の版のタロットカードについても類似している事柄の方が多いので、いずれにしても役に立てる内容になっています。

タロットカードの魔術師とは?

大アルカナ魔術師

1の数字が付されたこのカードは大アルカナの中でも重要な意味を持ち、意識の自覚・物事の開始・万物の創造の起点を象徴します。

THE MAGICIAN(マジシャン)と名付けられたこのカードは、「魔術師」「奇術師」と呼ばれます。

魔術とは、精神力を駆使し、自然界の常識を超え、人や環境に対して変化をもたらす諸行を指しており、

このカードにはそんな人間の持つ念の力を駆使してあらゆる諸行をなそうとする人物が描かれているのです。

それではまず初めに、魔術師のカードの解釈をするにあたっての背景知識の解説をします。

ウェイト版のタロットカードをお持ちの方は魔術師のカードをお手元にご用意して実際に見ながら解説をお読みになると良いでしょう。

もしお手元になくても上の写真を見ながら自分なりにこのカードから一体どのようなことを感じるかを大切にしながら読み進めてみて下さい。

絵札の意味とは

魔術師のカードには、1人の人物が描かれています。

彼の右手には燃えるような意志の強さを象徴する棒が持たれており、その手は避雷針かのごとく天高く持ち上げられ、
大いなる創造力を天から受け取っています。

そして、彼の左手は大地を指し示し、天から受け取った万物の創造エネルギーを、この地上に顕現させようとしています。

彼の頭上には無限(♾)のマークが描かれており、この事は彼が万物の源である無限のエネルギーと調和をしており、そこから無限のエネルギーを受け取る事が可能であることが示されています。

机の上には、小アルカナのスートでもある「ワンド(火)・カップ(水)・ソード(風)・ペンタクル(土)」が置かれており、

彼はこれらの万物を構成する4大元素を自由自在に組み合わせて、ありとあらゆる物事を実現することが可能であるかのようです。

魔術師、もしくは奇術師と呼ばれるこのカードの人物には、

はっきりとした自覚と意志でもって、自分に不可能な事は何一つなく、
どんなことでも力強い創造力によって顕現させる事ができるという、

ゆるぎのない自身が溢れ出ているようです。

白い衣服は彼が純粋な動機であることを、赤いローブは彼が情熱に溢れている事を、

そして赤いバラと白いユリは、彼が骨と血肉をもった生命を持った1人の人間であることを、

腰に巻かれた自分の尾を噛む蛇のベルトは、彼が永遠の循環の中の今この瞬間に確かな意識を持ってその場に立っている事を示しているのでしょう。

シンボルの意味

さて、そんな魔術師のカードですが、その絵札には注目すべきシンボリズムの数々が散りばめられています。

これらのシンボリズムは、魔術師の他にもウェイト版のタロットカード全体において一貫して適用されており、
これらのシンボルの象徴する事柄への理解があると、より一層タロットカードへの理解が深まります。

シンボル意味
1最小単位であると同時に全てが凝縮された状態。ここから全てが始まる可能性の象徴。
黄色の背景太陽の光を象徴。前途は概ね良好であることを示す。
人間の内面的な感情を象徴するもの
庭園手入れの行き届いた庭園は、教養を持つ人間の意識を象徴
赤いバラ血を流して死んだイエス・キリストの象徴。
白いユリ純潔であることの象徴。神や王の象徴。また、キリスト教では聖母マリア、大天使ガブリエルの象徴
赤と白白は骨を、赤は血肉を象徴し、赤と白が共にある事は1人の人間を象徴している。
四聖物棒・杯・剣・金貨は宗教や魔術儀式において伝統的に不可欠とされてきた四種類の神器
ワンド(棒)直感・意志・情熱の象徴
カップ(杯)情愛・共感・友愛の象徴
ソード(剣)知識・思考・判断の象徴
ペンタクル(金貨)物質・価値観・肉体感覚の象徴
尾を噛む蛇ウロボロスの蛇。永遠・循環を示す。また、尽きることのない進化を象徴。
無限のマーク(♾)高次元の力、神、潜在能力を象徴。
上と下上なるもの(精神の世界)と下なるもの(物質界)を象徴。魔術師は、この上の世界と下の世界とを結びつけようとしている。
白の衣服純粋性
赤のローブ情熱

関連事項について

また、タロットカードに関連する背景的な事項と、魔術師のカードとの関連についても下記にまとめました。

項目内容
4大元素
惑星水星
十二宮双児宮
十二星座双子座
生命の樹第一の鍵、第十二の小径
鉱物ジャスパー
グラジオラス、アイリス、アヤメ
ハーブコリアンダー
食品緑黄色野菜
エジプト神トト
ギリシア守護神ヘルメス
曜日水曜日
人体顔面、顔の各パーツ、耳、目、鼻、口
色彩肌色
ヘブライ文字ベト

占いでの意味について

それでは、次に実際のタロット占いの際に、魔術師のカードが出てきた際にどのようにその意味を解釈していったら良いのかという点について解説をします。

ただし、その前に念を押しておかなくてはいけないことがあり、
それはタロットカードの意味は定まったものでは決してなく、

カードからどのような事をその時感じるかや、スプレッドの中での他のカードとの関係性などから、非常に流動的に意味を読み取っていく必要があります。

そのため、正位置ではこの意味、逆位置ではこの意味、というような固定的な解釈であったり、このカードには〇〇通りの解釈方法があって今回はこの解釈に当てはまるといった、
逐語的な解釈なども避けるようにしましょう。

それを踏まえた上で、タロットカードの魔術師の意味の解釈について、
まずはそのキーワードをポジティブ・ネガティブの軸に沿って紹介し、

その後、魔術師の意味の解釈例をご紹介します。

キーワード

それではまずはじめに、魔術師のカードから導き出すことが可能である解釈のキーワードを、上から下にかけて、肯定的な意味から否定的な意味へと一覧に並べて見ました。

一番上が、魔術師のカードを肯定的に捉えた時のもっとも極端な意味での解釈であり、そこから徐々に肯定でも否定でもない中間的な解釈、そして一番下にかけて否定的な面が強く出た場合の解釈となっています。

【魔術師のキーワード】

  • 強い意志
  • 自分への揺るぎない自信
  • 創造力の発揮
  • 綿密な計画
  • 機知に富む
  • コミュニケーション能力
  • 技術
  • 新しい物事の始まり
  • 創造の原点
  • 平凡なアイデア
  • 浅はかな言動
  • 無計画
  • 物事を始めない
  • 言行不一致
  • 意志の疎通の困難
  • 騙す
  • 詐欺

これらのキーワードに関しては、正位置だと肯定的な解釈を、逆位置だと否定的な解釈といった当てはめ方では解釈を読み誤ります。

逆位置でも、他のカードとの関係性であったりスプレッドの位置次第で肯定的に捉えるべき場合もありますのでその点は注意してキーワードを見るようにしましょう。

それでは次に、魔術師の意味の一般的な解釈例をいくつかご紹介します。

意味① 自覚して実行すること

魔術師のカードに描かれた人物は、机の上に置かれた道具をうまく活用して、
これから何かを始めようとしています。

彼は無闇やたらに何かを実行しようとしているのではなく、
明確な計画のもと、確かな意志をもってイメージしたものを顕現させようとしています。

このカードが出た時には、天からの無限のエネルギーが自分には注がれているという事実に自信を持ち、

計画したこと、口にした事を、手に持てる最大限の知識と知恵でもって、
行動に移すべきである事を示しています。

逆位置の場合

一方で、逆位置で出たり、ネガティブな印象をカードから受けた場合には、

計画が不十分であったり、自信が無かったりで、足踏みしてしまっていることに対して警告が出ていると見る事ができるでしょう。

アクションを起こすべきところで、アクションを起こせていないでいるのではないでしょうか。

意味② 集中すること

魔術師に描かれる人物は、想像した事を現実化させるために、確固たる意志でもって、対象に集中しています。

なにか、物事を成そうとする時、注意が散漫していて目標物に精神エネルギーが向かっていない場合には、

何事も成し遂げる事はできません。

このカードが出た時には、願望実現のためにも、確固たる意志の力を手中に収め、散漫してしまっている注意を1点に定めよと教えてくれています。

また、まさにこの魔術師の彼のように、目標に向かって一心になって集中していることを示している場合もあるでしょう。

逆位置の場合

一方で、逆位置で出たり、ネガティブな印象をカードから受けた場合には、

注意が散漫してしまっていること、意識が定まっていない事を警告し、
自分が望むものを手に入れるためには心を1点に定め集中してなくてはいけない事を教えてくれています。

(参考)□集中力を高める方法

意味③ 創造力を発揮すること

魔術師は、人間に秘められた念の力の使い方を心得ており、
一般の人が出来るわけがないと思うような事であっても、

奇跡を起こすかのごとくに、自然界の常識を超えて、人や環境に対して強い影響力を発揮します。

愚者が根拠のない自信に基づいて自然体でいたのに対して、
魔術師は自分自信への根拠ある自信をもっています。

このカードが出た時には、潜在意識に秘められた眠れる力、すなわち創造力を発揮し、
奇跡的とも思えるようなアイデアの実現が出来るであろうことが示されています。

逆位置の場合

一方で逆位置や、ネガティブな位置関係でこのカードが出た場合には、

創造力が発揮できていない事、オリジナリティに欠ける平凡なアイデアに甘んじてしまっている事、

自分の本来の力に対して信頼をしておらず、誤った態度の元で物事に向かってしまっているという事を警告しています。

(参考)□タロットカードの愚者の意味とは

意味④ コミュニケーションを取ること

魔術師には、観客がいます。

彼は、聴衆の前で驚くような奇跡が人間であるならば誰でも出来るという事を教えています。

彼は催眠術師のように、聴衆を意識朦朧とさせるのでは決してなく、
はっきりと覚醒した意識のもとに、意志の疎通を測っています。

このカードが出た時には、意志の疎通をするべきであること、
またしっかりとしたコミュニケーションが取れていることを示しています。

一方で、逆位置やネガティブな印象をこのカードが受けた場合には、
コミュニケーションが足りていない事、また相手と意志の疎通がしっかりできていないことが示されているでしょう。

魔術師の逆位置について

さて、すでに魔術師の逆位置については、逆位置だからといって、ネガティブな意味を短絡的に当てはめるべきではないことについては触れました。

その上で、魔術師のカードが逆位置で出た場合など、正位置の意味とは逆であったり、
反対の応用的な解釈が必要な場合のポイントについても解説をしておきます。

魔術師のカードは逆位置であったり、ネガティブな位置関係で出た時には、

キーワードとしては以下のものが当てはまる可能性があるでしょう。

自分への信頼がない、創造力を発揮しようとしていない、知識や知恵を応用していない、コミュニケーション能力の不足、相手を欺こうとしている、嘘をつこうとしている、現行の不一致、詐欺、傲慢まじゅつし

などです。

それは、大いなる存在(神)の子である自分の存在を忘れ、
悪魔の言いなりに成り下がり、

自分自信への自信の無さ、希望のなさから、自らの意志で行動を起こす事ができず、
挙げ句の果てには自分自身だけでなく相手をも欺き騙そうとしている姿が思い浮かばれます。

それはまるで「ペテン師」であって、一時的にはうまく取り繕ったり、相手を味方につけたりは出来るかもしれませんが、

その結末は必ず破滅的な状況へと自分を追い込むだけです。

魔術師のカードが逆位置であったり、ネガティブな位置関係にあるときには、
人間本来の確固たる自信とプライドを取り戻し、

はっきりとした自意識のもと、善なる意図を持って創造力を発揮するべきである事を警告しています。

恋愛・仕事・未来について

それでは次に、実際の占いの内容に応じて、魔術師のカードがどのような意味を持ってくるのかと言う事についても解釈の例をご紹介します。

ここまで紹介してきたような魔術師のカードの一般的な解釈例や、
スプレッドで置かれた位置での意味などから、

そこに恋愛・復縁・仕事・未来など、占いの内容を応用することで、
魔術師が意味するところは見えてきます。

恋愛・相手の気持ちに関しての意味

魔術師のカードが正位置やポジティブな意味として解釈できるのであれば、

それは恋愛関係においても新しい出会いが期待されていることや、

相手と問題なく意志の疎通が取れていること、

そして今後も自信と情熱に基づいた献身的で発展的な関係が期待できるであろうことが示されているでしょう。

また、気になる相手に対して、自信をもって大胆にアピールしていくことで、相手にもしっかりと自分の気持ちが伝わり、
理想の関係へと発展させていくことができるでしょう。

逆位置の場合

一方で逆位置やネガティブな位置関係で魔術師が出た場合には、

新しい関係は始まらないであろうことや、意志の疎通がうまく取れていないこと、

最悪の場合にはペテン師に騙されているように浮気やうわべだけの関係になってしまっていることなどが警告されているかもしれません。

仕事に関しての意味

仕事に関しての質問に対して、魔術師がポジティブな意味として出された場合には、

それは物事は良い方向へと新しく動いていくことや、

自信をもって自分の創造力を発揮することでそれが周りに正しく認められ、良い方向へと物事が進展していくであろうことが示されているでしょう。

逆位置の場合

一方で、逆位置やネガティブな位置関係に魔術師が置かれている場合には、

それは自分の態度が傲慢であったり、うわべだけで言うことと行うこととが一致していないでいて、

相手に対して不信を抱かせてしまっているかもしれないことへの警告と見る事ができるでしょう。

また、新しい物事が始まらないことであったり、自分の知識や知恵をうまく使いこなせない事、相手にうまく伝わらないことなどが示されます。

未来に関しての意味

未来に関してこのカードが出た場合には、未来は概ね良好でしょう。

魔術師のカードに現れる人物のように、確固たる自信と創造力を駆使して望むものを得ようとすれば、

それは必ず得られるであろう事が示されています。

逆位置の場合

一方で、逆位置やネガティブな位置関係で魔術師が出るのであれば、

計画の不足、自信の不足、意志の疎通の不足など、

まだ自分に足りない部分があり、そのことが未来に悪影響を与えかねないであろうことが示されています。

スプレッドでの意味の解釈方法

それでは最後に、実際にスプレッドに魔術師のカードが出た時の意味の解釈方法について、
スプレッドに割り当てられた役割に応じて、

魔術師のカードがどのような意味を示しているのかという事について解説をします。

状況・状態

何か、新しい状態や関係が始まろうとしていることが示されています。

しかし、魔術師のカードに描かれた人物はまだ机に置かれた道具に手を触れておらず、
あくまでも何かが始まろうとしている段階に止まっているかもしれません。

それは偶然の出来事ではなく、明確な意識のもとに、
新たな出来事が開始されようとしている事を示されています。

逆位置の場合

一方で、逆位置やネガティブな位置関係である場合には、
状況としては停滞しており、堕落や固定化されてしまっていることが示されているでしょう。

心境・気持ち

魔術師のカードに描かれた人物は、やる気と自信をもった優秀なマジシャンです。

このカードが出た時には、心境としては、やる気と自信に満ちた状態であることが伺えます。

また、相手と意志の疎通がしっかりと取れている状態を指しているとも言えるでしょう。

逆位置の場合

一方で、逆位置やネガティブな位置関係である場合には、
自信の喪失や、誤解、意志の疎通が取れていない状態などを示しているでしょう。

原因・理由

このカードが何か予期せぬ悪い出来事の原因として出された時には、

それは物事が始まらなかった事であったり、不誠実な動機や騙しなどが原因になってしまったことが示されているでしょう。

逆位置の場合

一方で、ポジティブな出来事の理由として出される場合には、
新しい事に取り組んだことや、熱意を捧げたことなどが好転して今に至っているであろうことを示しています。

結果・結論

このカードが結果や結論の位置に出てきた場合には、

新しく物事が始まり、それは良い方向へと向かうであろう事が示されています。

逆位置の場合

一方で逆位置やネガティブな位置である場合には、

物事が始まらないことや、コミュニケーションや知識の不足が起きてしまっていることなどが示されているでしょう。

対処法・改善方法

このカードが対処方法の位置に出た場合には、

自分への自信とやる気を持って、物事に取り組むべきであることが示されています。

仕事であっても恋愛であっても自分に自信をもって、確固たる目的意識で堂々といましょう。

逆位置の場合

一方で逆位置であったり、ネガティブな位置である場合には、

自信の無い今の態度や、無計画である今の状態などを直さねばならないということへの警告ととることができるでしょう。

まとめ

以上いかがでしたでしょうか。

このページでは、タロットカードの大アルカナ1番の「魔術師(奇術師)」のカードについて、

その絵札の解説からシンボルの意味、

また占いでの魔術師の一般的な解釈方法から、スプレッドや恋愛・仕事などの占い別での解釈例について、

幅広く解説をしてきました。

当サイトでは他にも大アルカナ・小アルカナについての理解が深まるような記事やそのほかのアルカナについての解説もしておりますので、

タロットカードにご興味のある方は是非そちらもご参考くださいね。

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